「とさでん交通 後免線・伊野線」は、高知市近郊を東西に結ぶ路面電車です。
西の終点である「伊野停留所」は、いったいどんなところなのか?高知市から一つお隣の、いの町へ行ってみました。
とさでん交通 伊野線(はりまや橋→伊野)

高知市の中心部「はりまや橋停留所」を出発してからおよそ40分。路面電車は高知市から いの町 へと入りました。
路面電車といえば市街地を走るイメージが強いですが、伊野線は郊外を走り、山間部の峠を越えます。ビルどころか人家も少ないようなエリアを突き進む車窓は、とさでん交通の大きな特徴の一つです。
また、路面電車が「市」ではなく「町」を走るという点も珍しく、国内ではここと芳賀町(宇都宮ライトレール)だけです。

峠を登り切ると、いの町の市街地が見えてきました。
終点 伊野駅



JR土讃線との乗換駅である「伊野駅前停留所」を過ぎて、ついに終点に到着しました
路面電車ながらも駅舎を擁しており、終着駅らしい佇まいの「伊野停留所」。駅周辺を見てみると、松山街道沿いに商店が立ち並び、隣には町役場もあることから、ここが街の中心地であることが伺えます。


しばらくすると、すぐ折り返して行きました。同区間では終日40分間隔の運転が行われており、次の電車は40分後です。
謎の廃線跡は「旧伊野車庫」

線路はここで終わりなのですが、終点からスイッチバックするように 謎の線路 が伸びています。
駅北側へと分岐したレールは、緩やかにS字カーブを描きながら住宅地の生活道路を通って、駐車場まで続いて途切れました。レールと架線柱は残っているものの、レールの溝は埋められ架線も撤去されており、現在は使われていないようです。


この線路の正体は 「伊野車庫」の留置線跡 です。夜間留置や点検等を行う基地として使用されていましたが、1999年に廃止されます。現在、跡地はパークアンドライド用の駐車場になっていますが、線路は完全撤去されずにそのまま残っているのです。
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高知県いの町 の 中心市街地

高知県いの町 は、高知市の西隣にある人口約2.1万人の町。2004年に旧伊野町と吾北村、本川村が合併して誕生しました。

町の中心には清流「仁淀川」が流れており、河川を利用した材木の運搬も盛んに行われていました。主な産業は製糸業であり、江戸時代には「土佐和紙」の産地として栄えました。

駅から徒歩圏内には「いの町紙の博物館」があります。館内では、町の歴史や当時の製糸業の様子を現代に伝えています。
路面電車がやってきた

そんな伊野町も、明治時代に入ると近代化の波が押し寄せます。
1907年(明治40年)に 土佐電気鉄道伊野線 が伊野まで延伸開業すると、紙や木材などの輸送力が飛躍的に向上しました。現在は旅客需要を担う路面電車ですが、もともとは貨物輸送のために誕生したんですね。
1924年(大正13年)には 国鉄土讃線 が延伸開業し、全国の鉄道ネットワークに繋がります。



路面電車の貨物輸送は、戦後の1954年(昭和29年)まで続けられました。現在はいの町の人々の移動を担う重要なインフラですが、その一方で運行本数は大きく減らされています。とさでん交通の経営状況も厳しいことから、今後の動向が気になるところです。
アクセス
HP:公式サイト
所要:「はりまや橋」から45分
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