JR小海線といえば “日本一標高の高い鉄道路線” として知られていますが、今回乗車する中込駅から小諸駅までの区間は佐久盆地の中を走ります。
沿線には市街地が広がり、朝夕には20~30分間隔で列車がやってくる生活路線です。
中込駅

JR中込駅周辺には、旧中込町の中心市街地が広がっています。
駅前商店街は昭和レトロな雰囲気を纏いつつも、どこかメルヘンチックさを感じさせます。そういえば清里駅前にもファンタジーな建築群がありますが、どうも小海線沿線はメルヘンな建物が造られがちなようです。
立派な街並みとは裏腹に、駅周辺を歩く人はほとんどいません。どうやら商業地としての機能は、郊外のロードサイド店舗や佐久平駅エリアへ移ってしまったようです。
運行の拠点



そんな厳しい地方のローカル駅である中込駅ですが、なんと駅員が配置されています。みどりの窓口も営業しています。
北側(小諸方面)は、朝ラッシュ時間帯には20分間隔、日中も1時間に1本運行されており、鉄道もある程度は利用されているようです。
一方の南側(小淵沢方面)は、日中には2時間も空くような閑散区間となっています。

そんな閑散区間と市街地区間のちょうど境目にある中込駅は、車両基地が併設されている運行上の拠点となっています。
1915年(大正15年)に「佐久鉄道」として開業した当初は、ここ中込駅が終点でした。それから徐々に南へ延伸し、私鉄から国鉄へと変わり、1935年(昭和10年)には小淵沢駅まで繋がって、現在の小海線の姿になりました。

ホームにずらりと並んだヘッドマークを眺めると、ここが “鉄道の町” であることを実感します。
ホームで撮影をしていると、行き違いの列車がやってきました。そろそろ出発の時刻が近づいてきたので、当駅始発の「普通 小諸行き」に乗り込みます。

それでは、出発進行!
ここでちょっと本の紹介。
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ボックス席のローカル線

JR小海線では2種類の車両が使用されていますが、車内はいずれも セミクロスシート(ボックス席) となっています。
日中時間帯ということもあって、車内はガラガラでした。このあたりは閑散区間と比べて7倍近い利用者がいるはずなのですが、その多くは朝夕時間帯に集中しているのでしょう。
北側:小諸ー中込 3072人/日
中央:中込ー小梅 1076人/日
南側:小梅ー小淵沢 394人/日
※2023年度の輸送密度
一方で小淵沢から乗る列車は、いつも混雑している印象があります。おそらく観光シーズンや青春18きっぷの利用期間に、一部の列車に集中しているためでしょう。

沿線には市街地が連続しており、列車はこまめに停車していきます。同じく私鉄から国有化された飯田線を彷彿させる列車旅です。
佐久平駅

岩村田駅を過ぎると、高架線に上がり国道141号バイパスと交差します。
車窓からはイオンモールや家電量販店、ホームセンターなどの郊外型商業施設が並んでいる 現在の佐久地方の中心地 の景色が広がります。

信州の山並みをイメージした三角屋根の駅舎が見えると、列車は佐久平駅に到着しました。
小海線のホームは高架線上にあり、新幹線はその下を通っています。全国的にも珍しい駅構造です。

ここから北陸新幹線に乗れば、東京駅まはわずか80分でたどり着けます。
駅周辺は広々とした道路や公園、大規模な駐車場などが配置されており、車社会にも対応した市街地となっています。
小諸駅

佐久平駅を過ぎると、市街地はいったん途切れます。
標高を下げながら進み、しなの鉄道と合流して、終点の小諸駅に到着しました。



小諸は かつて佐久地方の交通と経済の中心地 でした。
ところが、新幹線開業により小諸駅を経由する特急あさまが廃止され、JR信越本線は第3セクターのしなの鉄道になり、街は大きな変遷期を迎えます。
それでも、現在もしなの鉄道と小海線が接続する地域のターミナルであることに変わりはありません。
休日にはしなの鉄道の「ろくもん」や、JRの「HIGH RAIL 1375」といった観光列車が乗り入れており、晴れやかな賑わいを見せています。
訪問日 2023年12月
アクセス
HP:小海線ファンサイト
HIGH RAIL 1375 (JR東日本)
交通:東京から佐久平まで約80分


