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私鉄唯一の夜行列車|尾瀬夜行23:45

浅草駅から会津高原尾瀬口駅まで、175.3kmの距離をおよそ3時間かけて結ぶ夜行列車があります。

金曜日(あるいは土曜日)の夜に都心を発って、翌朝早くから尾瀬登山やスキー・スノボが始められる、レジャーの強い味方です。

東武鉄道の夜行列車

「尾瀬夜行23:45」「スノーパル23:45」は、JRを除いた 私鉄で運行されている唯一の夜行列車 です。

1955年(昭和30年)に「日光山岳夜行」登場とともに、歴史の幕を開けた東武鉄道の夜行列車。1986年(昭和61年)には野岩鉄道開業に合わせ、会津高原駅(現・会津高原尾瀬口駅)への乗り入れを開始して現在に至ります。

近年はイベント的な夜行列車が私鉄や第3セクターでも見られますが、一方で、東武鉄道の夜行列車は 年間60日ほど 運行されており、行楽シーズンには “ほぼ毎週末” 走っています。その運行規模は、寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」に次ぐといっても過言ではないでしょう。

尾瀬夜行23:45 

区間:浅草→会津高原尾瀬口 ※尾瀬沼山峠方面のバスに接続
日程:主に6〜10月の金・土曜日
1986年から毎年運転している、登山客用のアクセス列車。

スノーパル23:45

区間:浅草→会津高原尾瀬口 ※スキー場へのバスに接続
日程:主に12〜2月の金・土曜日
1986年から毎年運転している(コロナ禍を除く)、スキー場へのアクセス列車。

日光紅葉夜行  

区間:浅草→東武日光 ※中禅寺湖・奥日光方面のバスに接続
日程:10月の紅葉シーズン
1955年から1998年までは「日光山岳夜行」として運転していた。2016年に復活してからは毎年運転している(コロナ禍を除く)。

※東武トップツアーズの旅行商品として発売されており、
通常の乗車券や特急券では乗車できません。

起点 浅草駅

このターミナル駅から夜行列車が出発する。

東武伊勢崎線の都心のターミナル駅である浅草駅。本日の終電はすべて終了しており、残すは23:45発の「尾瀬夜行」のみとなりました。

人もまばらな駅構内には、大きなザックを背負った老若男女がにわかに集まり出します。静寂と、静かな興奮が入り混じった週末深夜の浅草駅です。

3両編成の東武500系(愛称リバティ)

ホームへ上がると、「Revaty(リバティ)」が停車していました。昼間は特急列車、夜間は夜行列車と、マルチに活躍している東武の特急車両です。

車内に入ると、4列がけのリクライニングシートが並びました。座席夜行に乗車するのは、快速「ムーンライトながら」が廃止されて以来です。

現在は “特急” として運行されている尾瀬夜行及びスノーパルですが、以前は有料の “急行” として、さらにその前は “快速急行” として運行されてました。かつてのボックス席時代に比べれば、快適性は格段に向上したと言えるでしょう。

北千住駅 から満席に

車内にそこそこの空席を残したまま、列車はゆっくりと浅草駅を発車します。隅田川を渡り、カーブの多い下町エリアを通過していきます。

最初の停車駅である北千住駅に到着すると、ホームには大荷物を持った乗客たちで溢れてました。

全員乗り込み、再び静寂が戻った北千住駅下りホーム。

ここ北千住駅は、東武鉄道でも随一の主要駅。常磐線、TX、千代田線、日比谷線との乗り換え客が多く利用しています。

ホームにいた乗客が一斉に乗り込み、0時ちょうどに再び発車します。荒川を渡って、埼玉県郊外の複々線区間を快調に飛ばし、列車は順調に北上していきます。明日の山歩きに備えて、ここは早めに寝ておきましょう。

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終点 会津高原尾瀬口駅

ふと目を覚ますと、列車は止まってました。あたりはまだ真っ暗で、乗客も全員寝ています。

深夜3時過ぎには終点に到着していたのですが、そこから 4時半頃までは車内休憩タイム となっているのです。

夏場は5時前でもだいぶ明るい。

二度寝から目覚め、いよいよ列車の外に降り立ちます。

ここは南会津の山の中。キリリと冷たく澄んだ空気に身を包まれます。寝ている間に全く違う世界に連れてこられる、これぞ夜行列車の醍醐味です。

隣のホームには、野岩鉄道の普通列車が止まっていました。始発列車まではあと1時間以上もあり、外は既に明るいものの、今はまだ夜行列車だけの時間です。

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尾瀬沼山峠行き 専用バス

会津鉄道と野岩鉄道の境界である、会津高原尾瀬口駅。

ここから先は専用バスに乗り継いで、はるかな尾瀬を目指します。

それにしても、早朝5時前の山奥の小さな駅にこれほど多くの人が集まっているのは、なかなか異様な光景です。尾瀬の山歩きの根強い需要と、鉄道の輸送力が生み出した景色と言えるでしょう。

尾瀬への玄関口の1つである、会津高原駅プラザ憩の家。

ロータリーへ移動してしばらくすると、大小さまざまなバスがずらりと列をなしてやってきました。

夜行列車の運転日になると、エリア一帯のバスと乗務員を総動員して乗客を輸送しています。地方の底力を感じる瞬間です。再び椅子に座って、3度寝から目覚めればそこは尾瀬への入口です。

夜行列車の使命

近年は「ななつ星」「四季島」「瑞風」などのクルーズトレインや、「銀河」「JR東日本の新たな夜行列車」などが次々と登場しています。これらは “夜行列車への乗車” そのものに付加価値を見出し、さまざまな地域を周遊したり、目的地を変えながら運行されています。

一方で、東武鉄道は “寝ている間の移動” や “朝早くからの活動” に付加価値を見出し、その手段として夜行列車を走らせています。首都圏のレジャー需要と南会津の地域経済に応えるべく、浅草駅から会津高原尾瀬口駅までを堅実に結び続けているのです。

訪問日 2025年7月

アクセス・宿泊

HP:東武トップツアーズ
区間:浅草、北千住、新越谷、春日部→会津高原尾瀬口
路線:東武伊勢崎線、日光線、鬼怒川線、野岩鉄道会津鬼怒川線

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