郊外の幹線道路を進んだ先に現れる、昔ながらのアーケード商店街と年季の入ったショッピングモール。ここは横浜市中区「本牧」です。
駅からはだいぶ離れていますが、商業集積や拠点性の感じられるエリアです。
駅から離れた アーケード商店街
みなとみらい線の元町・中華街駅を降りると、賑やかな観光都市が広がります。その南側には “山” が立ちはだかり、その向こうは郊外です。
“山”(と言うよりは丘陵地帯の高級住宅街)を越えると、4車線道路の「本牧通り」にたどり着きます。すでに駅から1km以上も離れていますが、あたりは市街地らしさを取り戻し、ついにはアーケード商店街が姿を現しました。
本郷町商栄会



ここが「本牧」の商店街と思いきや、どうやらその1つ手前の「本郷」だったようです。
立派な幹線道路沿いには、すこし古そうな個人店が並びます。郊外と街なかの混じり合いです。お店のラインナップを見てみると、飲食系が多くあります。やたらと中華料理店が目に付くあたりに、横浜らしさを感じました。
本牧リボンファンストリート商店会

商店街を進んでいくと、ようやく「本牧」の文字が現れました。
さっきまでとほとんど同じ商店街に見えますが、ここはもう別の商店街です。連続しているので、意識していないと気が付かないでしょう。

人通りもさっきまでと変わらず、寂れているとも賑わっているとも言えない絶妙なラインをキープしています。駅から離れている割には歩行者が多いですが、人口377万人の街の商店街と考えると、やや物足りなく感じます。

もしここに鉄道があれば、今よりもっと賑わっていたことでしょう。
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陸の孤島と鉄道

実は、かつて本牧には路面電車が走ってました。
1972年に全廃された横浜市電は、ここ本牧から桜木町や根岸方面を結ぶ路線が存在していました。その後は横浜市営地下鉄が建設されますが、本牧へ伸びることはありませんでした。
実は鉄道計画は存在していたのですが、買い物客の流出を訴える地元商店街や、建設工事による渋滞を懸念した港湾関係者の反対により、実現しなかったのです。
現在も、地下鉄グリーンラインから二俣川、東戸塚、上大岡、根岸、本牧を経由して元町・中華街へ至る「横浜環状鉄道構想」がありますが、実現は難しいでしょう。

「鉄道がないために、域外から人を呼び込むことができなくなり、商店街が衰退した」。というのがネット上で本牧について言われていることです。
一方で、住民はそこそこ多くいます。一定の買い物需要は残っており、路線バスが発着するタイミングにはささやかな賑わいも見られます。全盛期と比べれば衰退したのかもしれませんが、全く過疎化してしまったわけでは無いようです。
イオン本牧店・ベイタウン五番街

商店街を抜けると、マンションが立ち並ぶようになります。街の雰囲気もガラリと変わり、やがて目の前に大型商業施設が現れました。

「イオン本牧店」と「ベイタウン5番街」です。
2つの商業施設が道の両脇に並び、その上をペデストリアンデッキが通る。まるで郊外型ニュータウンの駅前風景のような街並みが、最寄り駅から2km以上も離れた地に広がっているのです。
マイカル本牧
かつて、ここには「米軍住宅地」がありました。1982年に返還されるまで、本牧はアメリカ文化の発信地でもあったのです。
その跡地に、1989年に大型ショッピングモール「マイカル本牧」が開業します。

スペインをイメージしたバブリーでゴージャスなショッピングモール。多くの観光客が押し寄せた “商業地 本牧” は、華々しい一時代を築き上げました。
しかし、他のエリアとの競合やアクセスの悪さから、徐々に衰退します。そして現在は 地域住民のための商業施設 として商店街とともに、ひっそりと営業を続けているのです。
訪問日 2025年3月
アクセス
所在地:神奈川県横浜市中区本牧
バス停:商店街は「本郷町」「本牧1丁目」「本牧2丁目」、ショッピングモールは「和田山口」が便利。


