JR九州の看板特急|787系

登場から30年以上が経過した現在も、JR九州の主要幹線を支え続ける「787系」。

鹿児島本線を縦断する看板特急から、新幹線連絡特急、汎用特急、そして再び看板特急へと返り咲いた歴史と、車両の魅力に迫ります。

看板特急「つばめ」デビュー

1992年に特急「つばめ」としてデビューした787系は、これまでの特急列車のイメージを大きく覆しました。

重厚感あふれるメタリックグレーの車体と、ホテルを思わせる落ち着いた内装に、上質な車内空間。その登場は大きな反響を呼び、JR九州の特急ブランドを確立させました。

JR九州の旅
九州7県に新幹線と在来線のネットワークを持ち、不動産業や商業・観光業など様々な事業を手掛けているJR九州。個性的な都市間特急列車やD&S列車(観光列車)を多数運行するなどして独自の魅力を放っています。

デザインを手掛けたのは水戸岡鋭治氏。この787系は初期の傑作の一つとも言われており、以降もJR九州の様々な鉄道車両や、全国各地の観光列車を担当しています。

サンライズ瀬戸・出雲と新幹線|東京→博多 B寝台ソロ
ブルートレインの廃止から10年以上が経ちますが、今でも寝台特急を利用して東京と九州を移動することはできます。寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」と新幹線「みずほ」を乗り継げば、深夜22時頃に東京駅を出て翌朝8時半に博多駅にたどり着くことができる...
サンライズ瀬戸|琴平延伸のモーニングタイム
東京と高松を結ぶ 寝台特急「サンライズ瀬戸」ですが、週末になると琴平まで延伸運転が行われます。通常運転時よりプラス1時間。“優雅な朝の列車タイム” を過ごしました。寝台特急サンライズ瀬戸東京駅を21:50に出発する「サンライズ瀬戸・出雲」サ...
寝台特急サンライズ 大阪→東京|ショートステイな夜間移動
0時33分。ちょっと遅めのチェックインで、走るホテルに乗り込みます。山陰・山陽方面や四国地方への移動に便利な「寝台特急サンライズ瀬戸・出雲」ですが、上り列車では 大阪から東京まで の移動にも使うことができます。およそ6時間半のショートステイ...
SLばんえつ物語号| グリーン車で味わう伝統的な優等列車
伝統的な優等列車。大正ロマンな雰囲気の客車列車。そして何より、煙を吐く力強い蒸気機関車の姿は多くの人々を魅了します。その一方で、展望車やビュッフェ、さらにはラウンジ付きのグリーン車を繋いだ7両編成の客車列車に乗れば、会津と越後までの古き良き...
本州横断「名古屋→富山」乗車レポ|特急ひだ
1日に4往復だけ、本州横断をする特急列車。名古屋から富山までの256.1kmを結びます。広大な濃尾平野を抜けて、飛騨の山岳地帯を延々と走り続け、目指すは北陸地方です。特急ひだ特急ひだは、中京圏と飛騨地方を結ぶ特急列車です。メインは名古屋−高...

汎用特急「AROUND THE KYUSHU」の現在

2003年の九州新幹線部分開業後は特急「リレーつばめ」へと活躍の場を縮小させ、2011年の全線開業後は九州各地へと転属されます。

特急「リレーかもめ」「かささぎ」佐賀・長崎方面
特急「きらめき」福岡方面
特急「かいおう」福岡方面
特急「にちりん」「ひゅうが」「にちりんシーガイア」宮崎方面
特急「きりしま」鹿児島方面

観光特急「36+3」九州全域

現在は “汎用特急” として、国内有数の特急街道である長崎本線(リレーかもめ)から、南九州の閑散区間(にちりんきりしま)まで活躍の場を拡げています。その働きっぷりは、かつての国鉄485系や185系を思い起こさせ、まさに九州の特急網の縁の下の力持ちとなっています。

車齢30年以上

しかし、汎用特急になるということは、看板特急の座を明け渡したということも意味しています。

JR九州が最初に開発した783系(左画像)は既に一部が廃車されていますが、その次に登場した787系も製造から30年以上が経っています。同時期に登場したJR初期車両も引退しつつあり、そろそろ今後の動向が気になるところです。

「36ぷらす3」の復活劇

そんな787系でしたが、なんと再びJR九州の看板特急へと返り咲きました。

まだコロナ禍の影響が大きかった2020年10月にデビューした、九州7県をぐるりと周る観光特急「36ぷらす3」。787系のモダンなデザインはそのままに、全車両をグリーン車へと改装し、登場時にあったビュッフェを蘇らせました。

特別急行
急行系統の中で最上級に位置づけられている “特急”。大衆化や新幹線への格上げが進んだ一方で、旧来の急行は姿を消しました。

通常、観光列車へ改造される際は、その車両の過去の文脈が引用されることはありません。しかし「36ぷらす3」は、往年の特急「つばめ」の姿をリバイバルさせつつ、観光列車としての魅力を高めるように改造されたのです。

清春芸術村・ラ・リューシュ ── 山梨に現れた「君たちはどう生きるか」の塔
山梨県の八ヶ岳南麓エリア。今からおよそ40年以上も前に、日本的な原風景が広がる中に “不思議な塔” が現れました。清春芸術村山梨県北杜市。JR中央本線の長坂駅から3kmほど離れた静かな地に「清春芸術村」はあります。かつての清春小学校跡地を活...
私鉄唯一の夜行列車|尾瀬夜行23:45
浅草駅から会津高原尾瀬口駅まで、175.3kmの距離をおよそ3時間かけて結ぶ夜行列車があります。金曜日(あるいは土曜日)の夜に都心を発って、翌朝早くから尾瀬登山やスキー・スノボが始められる、レジャーの強い味方です。東武鉄道の夜行列車「尾瀬夜...
寝台特急サンライズ出雲 シングルデラックス|唯一のA寝台
寝台特急サンライズエクスプレスには全部で118室×2編成の客室が用意されていますが、その頂点にあたるのが A寝台1人用個室「シングルデラックス」です。わずか6室×2編成の客室は、現在の鉄道の旅における “庶民の憧れの星” となっています。東...
姫路セントラルパークの大観覧車|ビッグ8(旧ジャイアントホイール)
1984年の開園当初から稼働している大観覧車「ジャイアントホイール」は、姫路セントラルパーク(通称:姫セン)のシンボルです。完成当時は ”世界一高い観覧車” としてギネスに認定されましたが、現在は国内8位の高さであることから「ビッグ8」へと...
姫路セントラルパークのジェットコースター|Go!Go!ジェット
1984年の開園当初から稼働している「ジェットコースター」は、姫路セントラルパーク(通称:姫セン)の王道のローラーコースターです。もともとはシンプルに「ジェットコースター」と名付けられていたアトラクションでしたが、2024年に「Go!Go!...

ここでちょっと本の紹介。
表紙をクリックすると、楽天市場に移ります。

気になる1冊は見つかりましたか?
selected by レイワレトロ書店

特急「リレーかもめ」乗車レポ

博多〜武雄温泉間を結んでいる特急「リレーかもめ」。

通称”白いかもめ” こと885系が看板特急として活躍していますが、およそ半数は787系が充当されています。普通車やグリーン車の他に、個室やDXグリーン車を備えた堂々たる7両編成での運行です。

車内に入ると、優等列車らしい高級感と落ち着きの感じられる空間が広がりました。

デビュー当時から定評のあった内装は、長年の使用によって木目や金属パーツに独特の艶が加わり、最新車両にはないノスタルジックな魅力を放っています。走行音の大きさや細かい設備に古さを感じるものの、もともとモダンで完成度の高いデザインのためか、不快感は一切ありません。

列車は鹿児島本線から長崎本線へと快調に走行し、終点の武雄温泉駅に到着しました。ホームの対面には西九州新幹線「かもめ」が待機しており、スムーズな乗り換えができるようになっています。

そういえば、787系が「リレーかもめ」で活躍していた時代にも、新八代での対面乗り換えがありました。看板特急であり汎用特急でもある787系ですが、意外にも、真の姿は ”新幹線連絡特急” なのかもしれませんね。

訪問日 2023年10月

アクセス

HP:JR九州 公式サイト
   黒い787「36ぷらす3」 | JR九州

ふるさと納税

   ※楽天市場 ふるさと納税へ移動します。

JR九州の旅

JR九州の看板特急|787系
登場から30年以上が経過した現在も、JR九州の主要幹線を支え続ける「787系」。鹿児島本線を縦断する看板特急から、新幹線連絡特急、汎用特急、そして再び看板特急へと返り咲いた歴史と、車両の魅力に迫ります。看板特急「つばめ」デビュー1992年に...
JR大分駅の屋上|JRおおいたシティ屋上広場
大分駅にある地上8階建ての駅ビル「JRおおいたシティ」には、屋上庭園「シティ屋上ひろば」が広がっています。ミニ鉄道の路線網が広がり、タワーのような高い建物が立ち、橋がかけられ、表参道にお店が立ち並び…。日本最大級の約4500㎡の面積をもつ屋...
JR博多駅の屋上|つばめの杜ひろば
博多駅にある地上10階建ての駅ビル「JR博多シティ」。その屋上には、鉄道神社や展望テラス、ミニ鉄道などがある屋上庭園「つばめの杜ひろば」が広がっています。JR博多シティ九州最大のターミナル博多駅。東京からの のぞみ の終着駅であるとともに、...
別府ケーブルラクテンチ |歓楽温泉街の老舗遊園地
別府の巨大温泉街を見下ろす場所にある「別府ケーブルラクテンチ」。楽しいアトラクションたちと、戦前から続く長い歴史を擁する娯楽施設です。そんな昭和レトロな老舗遊園地の魅力に迫ります。お山の上の老舗遊園地おもちゃの城のような入口。大分県別府市に...
博多ポートタワー と 別府タワー
博多と別府にある、昭和30年代に建てられた2つの観光展望塔。内藤多仲が手掛けた “タワー6兄弟” の中では小規模ながらも、強い個性と独特な存在感を放っています。わずか100mの観光展望塔昭和30年代はまだタワーマンションや超高層ビルが存在せ...

特別急行

JR九州の看板特急|787系
登場から30年以上が経過した現在も、JR九州の主要幹線を支え続ける「787系」。鹿児島本線を縦断する看板特急から、新幹線連絡特急、汎用特急、そして再び看板特急へと返り咲いた歴史と、車両の魅力に迫ります。看板特急「つばめ」デビュー1992年に...
西武新宿線の有料優等列車|特急レッドアロー小江戸
ごくごく平凡な通勤通学路線を、全車指定席の特急が駆け抜ける。ラッシュ時間帯の着席需要と、川越への観光アクセスというの2つの顔を持つ 特急レッドアロー「小江戸」号 です。乗ってみると、昼間の時間帯のガラガラっぷりに驚かされます。空気輸送とも揶...
三遠南信縦断特急|伊那路(いなじ)号
飯田駅と豊橋駅を1日2往復している特急 伊那路。ほとんど人が住んでいないような過疎地域を経由しながら、三遠南信エリアを縦断するように結びます。3両編成のローカル特急に乗って、およそ2時間半の旅の始まりです。三遠南信とは、南信州(長野県南部)...
本州横断「名古屋→富山」乗車レポ|特急ひだ
1日に4往復だけ、本州横断をする特急列車。名古屋から富山までの256.1kmを結びます。広大な濃尾平野を抜けて、飛騨の山岳地帯を延々と走り続け、目指すは北陸地方です。特急ひだ特急ひだは、中京圏と飛騨地方を結ぶ特急列車です。メインは名古屋−高...
列車旅
この記事を書いた人
Shizu

1997年生まれ。
旅行代理店に勤務する傍ら、
ブログ運営と国内旅行に力を注ぐ。

若者の視点から ”レトロ” を追求しており、各地を巡り紹介する。
ブログは中学生の頃から書き続けているが、文章力はなかなか上がらない。
埼玉で生まれ育ち、大学時代を群馬で過ごして、現在は東京に住む。

Shizuをフォローする
シェアする
タイトルとURLをコピーしました