野岩鉄道の「新藤原駅~会津高原尾瀬口駅(会津田島駅)」間では、すべての普通列車がボックス席 の6050系により運行されています。
2つ扉の車内に、赤いモケットのボックス席がずらりと並ぶ様子は、ちょっと昔の近郊型電車の旅を追体験させてくれました。
「区間快速」会津田島→新藤原


「区間快速 新藤原行き」は、会津鉄道の会津田島から会津高原尾瀬口、湯西川温泉等を経由して、終点の新藤原を目指します。

会津田島は南会津の拠点駅。当駅までは電化されており、野岩鉄道や東武鉄道からの直通列車も乗り入れています。2両編成の電車内に入ると、普通列車ながらも居住性の高い空間が広がりました。

特急列車でもなければ通勤電車でもない、いわゆる 近郊・急行型電車 です。
国鉄時代に急行を利用した層にとっては懐かしいでしょうし、115系やキハ40での鉄道旅行を楽しんだ層にとっても懐かしいことでしょう。かつては東武線沿線民にとっては、より思い出深い車両かもしれません。


時間になり、会津田島駅を発車します。
列車はしばらくは会津鉄道線内を走り、会津高原尾瀬口までノンストップで駆け抜けます。会津高原尾瀬からは野岩鉄道線内に入り、各駅に止まります。まさに “区間”快速 な走りっぷりです。

車内はガラガラで、1人でボックス席を占有しながら南会津の車窓を楽しみます。グリーン車よりも贅沢な、ローカル線の普通列車の旅です。

東武鉄道・野岩鉄道・会津鉄道 6050系とは

1985年(昭和60年)に東武鉄道でデビューした6050系。翌年には野岩鉄道会津鬼怒川線が開業して乗り入れを開始します。
浅草から北関東の各都市を結ぶ東武鉄道にとって、2両×2両×2両で運用できる6050系は使い勝手が良く、日光線・鬼怒川線の「快速」を中心に、有料の優等列車としても活躍してきました。

しかし2017年に「快速」が廃止となり、車両の老朽化が進んでいたことから、2021年には東武鉄道から引退します。
現在は 新藤原ー会津田島間 のみで運転されており、栃木県北の山奥で最後の活躍を見せているのです。

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野岩鉄道はガラガラ

1986年(昭和61年)に開業した野岩鉄道は、山岳地帯を長いトンネルで貫いて栃木県と福島県を結んでいます。北越急行や三陸鉄道、鹿島臨海鉄道などと同じく日本鉄道建設公団によって建設された路線です。
沿線には温泉地が多数あり、都心から特急「リバティ会津」が乗り入れて温泉客を運んでいます。

一方で沿線は人口希薄地帯であり、通勤通学の需要はほとんどありません。また特急「リバティ会津」は、野岩鉄道線内では各駅に止まり特急料金不要で乗れることから、実質的に普通列車の役割を兼ねてます。
そんなわけで普通列車は1日わずか5往復。経営はかなり崖っぷちです。

最果ての新藤原駅
列車は龍王峡駅を出て、次は終点の新藤原駅です。


ここは東武鉄道の最北端の駅。鬼怒川温泉の中心地まではここから3kmほどです。
しかしながら周辺には観光地っぽい雰囲気は無く、山間に小さな集落が広がるのみ。これといった見どころやお店などもありません。

しかし、東武鉄道からしたら最果ての地ですが、野岩鉄道からすれば “都心からの玄関口” であり “日光・鬼怒川温泉にもっとも近い駅” でもあります。
駅有人窓口では野岩鉄道グッズが売られており、駅に隣接して野岩鉄道本社が建ちます。野岩鉄道にとっては重要な拠点なのです。

2024年には、2編成ある6050系のうち1つが観光列車「やがぴぃカー」としてリニューアルされました。車内はボックス席だけでなく、畳や掘りごたつを設置されており、なんとか利用促進に繋げようとしているのです。
野岩鉄道のボックス席の古い電車。苦境に負けずに今日も走ります。
訪問日 2025年6月
アクセス
車両:6050系電車(2両編成・セミクロスシート)
路線:野岩鉄道会津鬼怒川線(新藤原−会津高原尾瀬口駅)
HP:公式サイト


