別府の巨大温泉街を見下ろす場所にある「別府ケーブルラクテンチ」。楽しいアトラクションたちと、戦前から続く長い歴史を擁する娯楽施設です。
そんな昭和レトロな老舗遊園地の魅力に迫ります。
お山の上の老舗遊園地

大分県別府市にある遊園地「別府ケーブルラクテンチ」。
開業は、戦前の1929年(昭和4年)にまで遡ります。当時は別府温泉の発展期で、大規模な歓楽街や娯楽施設が次々と造られていた時代です。
別府ラクテンチケーブル線
お山の上の遊園地までは、ケーブルカーに乗ってアクセスします。

別府の街並みを眼下に眺めながら、日本一の急勾配をグングン登っていくケーブルカー。最大角度30℃、約0.3kmの距離を3分で結びます。移動手段でありアトラクションでもある乗り物です。
たどり着いた「乙原(ラクテンチ上)駅」は園内にあり、完全に遊園地専用路線になっています。ただし、乙原地区の住民に限り一般利用ができるそうです。


アトラクション


さあ、いよいよ明るく華やかな遊園地にやってきました。まずはアトラクションに乗りましょう!
二重式観覧車
まず最初に現れるアトラクションが「フラワー大観覧車」。乙原駅に併設されている、日本唯一の二重式観覧車です。



まずは1回転して地上に戻ってきたと思いきや、観覧車本体が回りだして、あっという間に地上から遠ざかります。安定した乗り心地ではあるのですが、なかなかの高度感で、独特なスリルが味わえます。乗車時間も長く、かなりの満足感がありました。
景色ももちろん素晴らしく、別府市内中心部の街並みや1957年竣工の観光展望塔「別府タワー」が見えました。
この観覧車は、もともとは宝塚ファミリーランドで稼働したものでした。閉園に伴い移設され、2004年から運行を開始しています。
ジェットコースター


続いて乗るのは、1972年(昭和47年)から運行を続けるローラーコースター。
見た目通りの、あまり怖くない絶叫マシンです。全長470mのコースを景色を楽しみながら回ります。
アヒルの競争
アトラクション以外の名物が「アヒルの競争」です。戦後間もない1950年(昭和25年)から続くものですが、“賭け事” という発想がいかにも昭和の娯楽ですね。



他にも園内には、動物の展示コーナーや触れ合いコーナーもあります。ひよこへの餌やりという、珍しい体験もできました(既に鶏になりつつあり、くちばしが痛かったですが…)。
アトラクションだけでなく、可愛い動物たちとも触れ合える別府ラクテンチ。しかし、以前はもっと多くの動物が飼育されていました。
ここでちょっと本の紹介。
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老舗遊園地の歴史
少子高齢化とレジャーの多様化。ラクテンチも他の遊園地の例に漏れず、厳しい経営状況に置かれています。

2004年には「別府ワンダーラクテンチ」としてリニューアルオープン。運営が遊具メーカー「岡本製作所」に移るとともに、動物コーナーの削減(他の動物園への譲渡)が行われたのでした。
そもそも、なぜこんな場所に遊園地が造られたのでしょうか?
鉱山から娯楽へ


遊園地が造られる前。この場所は「別府金山」という鉱山がありました。
1903年(明治36年)から操業を始めますが、豊富な温泉資源を有する別府は、鉱山にとっては厳しい環境でした。結局1916年(大正5年)には閉山してしまいます。
その鉱山跡地と湧出した温泉を活用すべく、遊園地が造られたのでした。

昭和後期に全国の炭鉱が閉鎖された時代には、跡地に遊園地などの娯楽施設が造られました。1980年代〜90年代には、工業用地や跡地にテーマパークが造られてきました。
このように、工業・鉱業から観光業への転換というのは、遊園地・テーマパークの成り立ちを語る上ではよくあることです。ただし、戦前の事例は稀です。
遊園地の転機
前述のように2004年には「別府ワンダーラクテンチ」として再びオープンしますが、その後も試行錯誤は続きます。
2009年には再び「ラクテンチ」の名前に戻り、園内の改修工事も進められました。2018年には地元企業「西石油グループ」に事業譲渡されて、株式会社別府ラクテンチが設立されます。

もう1つの転機が、2016年にアップロードされたYouTube動画「100万再生で本当にやります!別府市・湯~園地計画!」です。
この動画は大バズリして全国的に知名度を上げるとともに、翌2017年には本当に実現しました。ただし、3日間だけの単発イベントで終わってしまったのが惜しいところですが…。
2024年にはラクテンチのミュージアムもオープンします。そちらはまだ見れてないので、再び足を運ばなければですね。
訪問日 2021年3月
アクセス・宿泊
HP:公式サイト
交通:バス停「流川通り12丁目」から徒歩10分
運営:株式会社ラクテンチ
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