駅から離れた繁華街。大通りの公園に、高さ100m以上の鉄塔。
テレビ電波の送信を目的に2つのテレビ塔が建てられたのは、半世紀以上も前のこと。現在も札幌と名古屋の街なかのシンボルとしてそびえ立っています。
テレビ放送を担う


幼いころに “札幌と名古屋にあるテレビ塔” を知ったときは「地方には東京タワーの小さいバージョンが存在するんだ」と、勘違いしつつもワクワクしたものです。
タワー6兄弟でいうと四男と長男にあたり、五男の東京タワーよりも先に建設されてます。


“テレビ電波の送信” を目的に建設された2つのタワーですが、一方で地上90mからの眺望を楽しめる観光施設として今まで多くの来塔者を迎えてきました。
また竣工から半世紀が経った現在では、周囲の建物の高層化が進んで埋もれつつありますが、それでも都市のランドマークとしてはなくてはならない存在となっています。
名古屋テレビ塔(中部電力 MIRAI TOWER)



1954年に 日本初の集約電波塔 として建てられた「名古屋テレビ塔」。タワー6兄弟の中で最も古く、2022年には国の登録型有形文化財にも指定されています。
高さは180mで、展望台は90mの地点に設けられています。
名駅 VS 栄

展望台に上ると、麓には久屋大通公園と栄のビル群が広がりました。このあたりは百貨店やオフィスビルなどの一大集積地であり、まさに中京圏の商業と経済の中心です。

対する名古屋駅(以下名駅)周辺エリアには、テレビ塔よりも高い、200m以上の超高層ビルが多く並びます。名駅周辺の目覚ましい発展の一方で、栄エリアでは地盤沈下が危惧されているのです。
存続危機と魅力化
しかし、それ以上に危機的状況に陥っていたのが「名古屋テレビ塔」です。
2011年の地上アナログ放送終了と同時に テレビの電波塔としての役割 を終了すると、テレビ局からの収入が途絶えて、経営状況が一気に悪化します。


そこで、タワー内の宿泊施設「THE TOWER HOTEL NAGOYA」を開業したり、中部電力とネーミングライツを締結して「中部電力 MIRAI TOWER」に名前を変えたり、展望台の居心地を良くするなど、収益性や魅力度向上に努めました。

タワーの足元でも魅力化が進みます。

久屋大通公園は、商業施設「Hisaya-odori Park」として生まれ変わり、周辺でも再開発により超高層ビルが姿を見せ始めています。タワーと街なかが一体となって、名駅に負けじと頑張っているのです。
訪問日 2025年1月1日
アクセス
運営:名古屋テレビ塔株式会社
交通:栄駅(市営地下鉄・名鉄)
HP:公式サイト
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さっぽろテレビ塔

1957年に竣工した「さっぽろテレビ塔」。タワー6兄弟では4番目にあたり、東京タワーより1年早く完成しました。2025年には国の登録有形文化財に指定されます。
高さは144mで、展望台は90mの地点に設けられています。
札駅 VS 大通公園

展望台に登ると、麓には大通公園や日本三大歓楽街の1つであるすすきのの街が広がりました。百貨店やオフィスビルなどが集積する、北海道の経済・商業の中心地です。

対する札幌駅エリア(以下札駅)には、高さ173メートルの「JRタワー」があるものの、依然として街の賑わいは大通公園エリアに軍配が上がります。
一方で札駅では現在、北海道新幹線の建設が進められています。開業に合わせて再開発が行われれば、街の勢力図も大きく変わるかもしれません。
ほぼラジオ電波塔
こちらも地上アナログ放送の終了時まで活躍してきたのかと思いきや、実は竣工から数年後には、テレビの電波塔は手稲山山頂に移ってしまってます。
テレビ塔という名前でありながら、実際には ラジオ放送のための電波塔 として利用されてきたのです。

そんなさっぽろテレビ塔も、2006年頃に新タワーへの建て替えの計画が持ち上がります。
地上500mの高さにすることで、北海道で1番の高層建築と、手稲山に移ったテレビ電波塔の役割を取り戻すことが期待されましたが、計画が実現されることはありませんでした。

無事に建て替えを免れたテレビ塔は、その後2025年に国の登録有形文化財に指定されます。
訪問日 2019年9月9日
アクセス
運営:株式会社さっぽろテレビ塔
交通:大通公園駅(市営地下鉄)
HP:公式サイト
タワー6兄弟
内藤多仲氏が1950年代から60年代にかけて手掛けた6つの鉄塔をご紹介します。

