1989年(平成元年)に福岡県福岡市百道浜で開催された「アジア太平洋博覧会」。遊戯施設の集まったエリアには、当時世界最大の高さ104.5mの巨大な観覧車が建てられました。
会期終了後は、熊本県の遊園地「グリーンランド」へ移設され、現在も活躍しています。
西日本最大級の遊園地のシンボル


園内中央に どでかくそびえる「大観覧車レインボー」。1990年に導入された、グリーンランドのシンボルです。
通常の遊園地の観覧車はせいぜい40〜60mほどなのに対して、こちらは脅威の100m超え!周辺に高層建築が無いことも相まって、なかなか異様な存在感を放ちます。


地上104mからの絶景

遊園地の観覧車というものは、華やかな祝祭空間に彩りを添えるモニュメントであり、賑わいの空間を少し上から俯瞰して楽しむもの。

しかしここの大観覧車は、ランドマークとしてはこの上ないほどに機能しているものの、園内の賑わいを俯瞰するにはあまりにも大きすぎます。下界の喧騒をはるか足元に、やがて視線は園の外へと移ります。


遊園地の東側を見ると、広大な空き地が広がっていました。ただでさえ敷地があり余っているグリーンランドですが、外にはまだまだ開発用地が控えているのです。
反対の西側には、うっすらと雲仙普賢岳が見えました。有明海の向こう側は、既に長崎県です。
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巨大観覧車ブームと博覧会

日本国内で高さ100mを超える観覧車は、東京の葛西臨海公園や横浜のみなとみらい、大阪の天保山やエキスポシティなど(かつてはお台場や福岡市にも存在した)。いずれも大都市にあるのが一般的で、地方の遊園地というのは異例です。
これらの観覧車が造られたのが、1990年代前後の「巨大観覧車ブーム期」。バブルの好景気や余暇需要の拡大に押されてできた観覧車が、当時の世界記録を次々に塗り替えたのです。

博覧会から遊園地へ

そんな巨大観覧車と切っても切り離せないのが “博覧会” です。
1985年の つくば科学博覧会 では、当時世界最大となる「コズミック・スペース」(高さ85m)が造られます。1989年の アジア太平洋博覧会 で「大観覧車」(高さ104.5m)が記録を塗り替えますが、同年に 横浜博覧会 の「コスモロック21」(高さ107.5m)に瞬く間に抜かされました。

そもそも、世界初の観覧車「フェイリスホイール」は、1893年のシカゴ万国博覧会で造られたもの。博覧会における観覧車は、遊園地におけるそれ以上に長い歴史があるのです。
第二の人生を歩む観覧車


3つの博覧会で登場した観覧車は、それぞれ「エキスポランド」「グリーンランド」「よこはまコスモワールド」といった遊園地へ移転し、第二の人生を歩み初めます。エキスポランド以外の2つは、今も現役です。
博覧会から遊園地へ、遊園地から遊園地へ(さらに一部は海外へ…)。不動の存在のように見える観覧車も、意外と柔軟に移っているのです。

訪問日 2025年3月10日
アクセス・宿泊
交通:大牟田駅(JR・西鉄)から路線バスで20分。
運営:株式会社グリーンランド
HP:公式サイト
