宇都宮の中心市街地にそびえ立つ「TOBU」のツインタワー。1958年開業の東武宇都宮百貨店です。
落ち着いた雰囲気の地方デパートの屋上を訪ねるとともに、かつて存在した「東武ランド」の面影を探ります。
6階屋上 憩いの広場



ということで、さっそく6階の屋上へとやってきました。扉を開けると、コンパクトながらも心地の良い空間が広がります。
屋根に覆われたエリアに机と椅子が並ぶ全天候型の休憩スペース。ちょうどお昼時だったので、休憩したり食事を取る従業員の姿が見られました。しっかりと利用されている、実用的な屋上広場です。

一方で、現在立ち入りができるのは写真に写っている範囲のみ。大部分は未活用です。
新館ツインタワー

上を見ると、1973年オープンの「新館」がそびえ立ちます。ツインタワーが印象的な、宇都宮市街地のシンボルです。
建物は13階までありますが、現在デパートとして営業しているのは9階まで。その上は事務所になってます。

ちなみに、新館9階には “もう1つの屋上広場” があります。夏になるとビアガーデンが開催されるそうです。
謎のピエロ

6階から5階へ降りる階段の途中で “謎のピエロ” に遭遇しました。
まるで遊園地のようなカラフルで華やかな絵柄ですが、実は、かつてここにはレジャーランドが存在していたのです。
ここでちょっと本の紹介。
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東武百貨店宇都宮店

東武宇都宮百貨店は、1959年に東武鉄道で最初の(なんと池袋店よりも早い)デパートとしてオープンします。
地上5階建てのビルの中には、駅舎とバスターミナルと百貨店が入り、屋上には遊園地がありました。観覧車や飛行塔、モノレールが走る本格的な遊園地だったそうです。
東武ランド
デパートの増床増築が進められる中で、特に力を入れたのがレジャー施設でした。
1971年にはボーリング場がオープン。1973年には新館竣工とともに、9〜12階「東武ホテル」、13階「スカイレストラン」が営業を開始します。
さらに同年には、5階屋内「メキシ館」と6階屋上「アメリ館」がオープン。2つ合わせて「東武ランド」と呼ばれ、娯楽施設としての全盛期を迎えます。

現在は、それらの施設は全て姿を消しています。5階のゲームコーナーが、かろうじてその役割を引き継いでいると言えるでしょう。
東武宇都宮駅

3階へ降りると、東武宇都宮駅のコンコースが広がりました。
駅直結という利便性と、中心市街地のど真ん中という立地を武器に、60年以上に渡り営業を続けてきた東武の “百貨店”。かつては上野百貨店や西武、パルコ、丸井等としのぎを削りましたが、今も市内に残るのは東武と福田屋のみです。

一方で東武の “駅” の方は、地味な印象が拭えません。東京への直通列車も無くなり、JR宇都宮駅からも離れ、県都のターミナルとしては利便性にやや欠けるのです。
もっとも、この状況も2030年には大きく変わるかもしれません。
ライトラインがやってくる
2023年に開業した宇都宮ライトラインでは、西側への延伸計画を進めています。開通すれば、これまで離れていた東武とJRが1つに結ばれるのです。
将来的には東武線と直通運転するような構想もありますが、いずれにしても、その頃には東武宇都宮百貨店の姿も大きく変わることでしょう。

訪問日 2025年4月26日
アクセス・宿泊
交通:東武宇都宮駅直結
運営:株式会社東武宇都宮百貨店
HP:公式サイト
東武百貨店の上にあった旧宇都宮東武ホテルに代わって1991年に開業(旧ホテルは1993年に閉館)。東武宇都宮駅から徒歩5分の、大通り沿いに立地する。

