函館市内の西部地区は、港に隣接した市街地として古くから栄えてきました。なかでも十字街は、2つの路面電車が分岐している、旧市街の交通の要衝です。
十字街電停



左:周辺には小規模なアーケード街が広がる
右:建設中の新しい停留所が見える
函館市電に乗って、函館駅前電停から3駅の「十字街電停」へやってきました。
2024年にホームが函館駅前寄りへ70mほど移設されていますが、訪れたのはまだ移設前の頃。新ホームは幅1.5mに拡張されて安全性が高まっていますが、旧ホームではなかなかスリリングな電車待ちを味わうことができたのでした。
※この記事の画像は、全て移設前のものです。
函館山ロープウェイの最寄り

訪れたのが夜ということもあり、街はひっそりしていましたが、意外にもホームは多くの乗客で溢れかえっています。
その正体は外国人観光客。ここから徒歩10分ほど(ただし急な上り坂)の場所には函館山ロープウェイがあり、乗った先には

100万ドルの夜景が広がっているのです。
日本三大夜景の1つとしても知られる函館の夜景は、くびれのように広がる市街地の明かりによって生み出されたもの。そのまさに “くびれ” の位置にあるのが、旧市街となった十字街・末広町と函館駅前・大門地区です。
では、現在の中心市街地である “新市街” はどこにあるのでしょうか?
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旧市街「十字街・末広町」

近年は観光客から人気を集めている 十字街・末広町エリア。レトロな建物が並ぶ旧市街ですが、かつて大正時代の頃には、東北以北最大の繁華街として賑わいました。
当時の函館市の中心は、港に隣接している西部地区(十字街・末広町を含む)にあり、日本銀行の支店や丸井今井百貨店、4つもの映画館が営業する、まさに経済と商業の中心だったのです。
ところが時代に変化とともに中心市街地は遷移し、戦前から戦後にかけて函館駅前・大門地区に、1970年代には五稜郭地区の本町へと移り変わります。
函館の新市街は、郊外からの車のアクセスに優れた、五稜郭地区なのです。

商業地としては衰退した一方で、同地域は行政・観光エリアとしての性格を強めます。
1969年(昭和44年)には丸井今井百貨店が五稜郭地区に移転しますが、建物は市役所の分庁舎として活用されます。現在は 函館市地域交流まちづくりセンター となっており、レトロな館内を見学することも可能です。

1980年代後半には金森赤レンガ倉庫が、観光客向けの商業施設としてリノベーションされます。
2002年(平成14年)には再開発ビル「アクロス十字街」が竣工し、函館市企業局が置かれます。
市電の分岐点

現在は 5系統(函館どつく方面) と 2系統(谷地頭方面) の分岐点となっている、函館市電「十字街電停」。乗降客数は、五稜郭前、函館駅前に次いで3番目の多さです。
開業は1913年(大正2年)のことで、翌年には谷地頭方面の路線ができます。開業初期からすでに分岐点だったわけです。
ちなみに前身である馬車鉄道は、1898年(明治31年)に開業しています。

函館市の中心市街地の遷移は、船→鉄道→車という交通の変移でもあると言えそうですが、その3つのエリアを結んでいるのが函館市電です。十字街から函館駅前までは約6分、五稜郭公園前までは約21分で移動できます。
”西部地区の衰退” はすでに昭和の中頃から叫ばれてきましたが、逆にそれが戦前の貴重な建築を残すことに繋がりました。モータリゼーションにより乗客が減っていた路面電車も、今や世界的に見直されています。
函館観光の際は、街の賑わいの移り変わりや交通の変化に着目してみると、より楽しめるかもしれません。
訪問日 2023年9月5日
アクセス・宿泊
交通:函館駅前から十字街まで6分
HP:函館市電ポータルページ
宿泊
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