博多ポートタワー と 別府タワー

博多と別府にある、昭和30年代に建てられた2つの観光展望塔。

内藤多仲が手掛けた “タワー6兄弟” の中では小規模ながらも、強い個性と独特な存在感を放っています。

わずか100mの観光展望塔

昭和30年代はまだタワーマンションや超高層ビルが存在せず、観光用の展望タワーはそれほど高さを必要としませんでした。

博多ポートタワーと別府タワーはどちらも高さ100m。純粋な展望施設として建てられました。

同時期に建てられたテレビ電波塔は200〜300mだったのに対し、同じく観光用の通天閣も108mだったことから、当時の展望塔に求められる高さは100m前後だったのでしょう。

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博多ポートタワー

タワー6兄弟の中で、最もシンプルな印象。

竣工は1964年。

東京オリンピック開催や東海道新幹線開業と同じ年に建てられますが、タワー6兄弟の中では “末っ子” です。

場所は博多港の一角にあります。もしかして開業当初は灯台だったのではないかと思いましたが、そのような機能はありませんでした。

レジャー施設のランドマーク

では博多ポートタワーの当初の役割はなんだったのかというと、娯楽施設のランドマークです。

1964年にオープンした「博多パラダイス」は、遊園地や温泉施設が併設された大規模レジャー施設でした。そのシンボルとしてタワーが建てられたのですが、麓のレジャー施設の方はあっさり閉園します。

しかし、タワーは撤去されずに福岡市へ移管されるのです。

教育的役割

跡地は図書館や博多港PRセンターを経て、現在は「博多港ベイサイドミュージアム」となっています。

博物館の中にある展望施設として 教育的役割 を担うようになった博多ポートタワー。港の仕事や歴史を学んだ後に、実際の博多港を空から見てみよう、という流れになっています。

市内中心部に高層建築が無いため、割と見晴らしが良い。

また「船の無線局」も担っており、港を出入りする船の安全運行を支えています。

タワー6兄弟の中では唯一の “入場無料” “行政が管理” “港湾施設の役割” のタワーなのです。

訪問日 2023年2月14日

アクセス

博多ポートタワーは、福岡市の運営する博多港ベイサイドミュージアムの施設。公式サイトはこちらから。

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別府タワー

東京・大阪・名古屋・札幌・福岡の5大都市にそれぞれ建てられた “タワー6兄弟” ですが、唯一の例外が別府市にある「別府タワー」です。

巨大都市では、電波発信や娯楽需要からタワーが求められましたが、別府では “巨大温泉地のシンボル” としてタワーが求められました。

1957年(昭和32年)に「別府温泉観光産業大博覧会」開催に併せて1957年に竣工し、タワー6兄弟では三男にあたります。

のどかな観光施設

入口に人は居ない。

他のタワーと比べると田舎なためか、入口にはどこかのどかな雰囲気が漂います。麓には券売機があるのみ。チケットを購入したら、そのままエレベーターで展望台へ向かいます。

展望台に到着すると、ようやく係の人と対面することができました。

展望台はまさに昭和の観光地。目の前に広がる海を眺めながら、のんびりとした午後の一時を過ごします。リニューアルが進みつつあるタワー6兄弟の中で、最も昔ながらの雰囲気を留めていると言えるでしょう。

崖っぷちの塔人生

開業後しばらくは観光客や修学旅行客で賑わった別府タワーですが、その後は入場者数が減少します。

1980年代には解体撤去の危機に陥りますが、経営母体が変わり、また新たな広告主が見つかることで難を逃れました。

2007年には国の登録有形文化財に指定され、2021年には地元の観光・不動産企業の運営に移ります。2022年から23年にかけて大規模修繕も行われ、ひとまず安泰と言ったところでしょう。

訪問日 2021年3月11日

アクセス

別府タワーは、カイセイ地所トラスト株式会社の運営する観光施設。公式サイトはこちらから。

タワー六兄弟

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内藤多仲氏が1950年代から60年代にかけて手掛けた6つの鉄塔の紹介です。

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観光展望タワー
この記事を書いた人
Shizu

1997年生まれ。
旅行代理店に勤務する傍ら、
ブログ運営と国内旅行に力を注ぐ。

若者の視点から ”レトロ” を追求しており、各地を巡り紹介する。
ブログは中学生の頃から書き続けているが、文章力はなかなか上がらない。
埼玉で生まれ育ち、大学時代を群馬で過ごして、現在は東京に住む。

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