イオン本牧 と ベイタウン本牧5番街|バブル期の商業施設の現在

1989年に横浜市中区本牧に開業した「マイカル本牧」。

スペイン風の街並みが広がるアーバンリゾート型ショッピングセンターは、折からの好景気により、年間来場者数1500万人を記録します(ディズニーランドを超える)。

ところが、アクセスの悪さから徐々に客足が減少。紆余曲折を経て、現在は「イオン本牧」「ベイタウン5番街」として営業を続けています。

※ベイタウン本牧は2025年12月31日に全テナントが営業を終了しており、現在は閉店状態になっています。詳細は追記をご確認ください。

噴水広場とペデストリアンデッキ

ペデストリアンデッキの下を「本牧通り」が通り、バス停が設置されている。

2つの大型商業施設が道の両脇に並ぶ横浜市本牧。立派な幹線道路の上にはペデストリアンデッキが通ります。

階段を上がると、まるで “郊外型ニュータウンの駅前風景” のような歩行者空間が広がっていました。拠点性を感じる景色ですが、一方で ここを通る公共交通機関は路線バスのみ。過去に鉄道の延伸計画があったものの、実現しないまま現在に至ります。

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イスパニア広場

美しい噴水があるものの、どこか殺風景に感じる。

ペデストリアンデッキからイオン入口へ向かうと、噴水や時計塔のある「広場」が現れます。

凝ったデザインの噴水は、スペインから輸入したもの。ここは、太陽の陽が明るくふり注ぐ「イスパニア広場」です。

ところが、広場には人通りが少なく賑わいにやや欠けます。徒歩客やバス停利用者は1階からそのまま入店するため、2階の広場は導線から外れるのです。

とは言えロケーションは素敵です。いっそのこと今流行りの “芝生広場” にしてみるのはいかがですか?

イオン本牧店

ダルデの塔を擁する3番街の駐車場棟(左)。イオン(右)と通路で結ばれている。

改めて「イオン本牧店」(1番街)の全体像を見てみましょう。

三角屋根のお洒落な外観が特徴的で、隣の駐車場棟(3番街)と共に統一されたデザインとなっています。マイカル時代には、こうした豪華商業建築が全部で10棟も建てられたというから驚きです。

そのうち1番街は、当初は「サティ」として営業していました。2011年にイオンにリニューアルされ、店内にはブックオフやセリアなども入っています。

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ベイタウン本牧5番街

この記事では、まだ複数のテナントが営業していた頃の様子を紹介しています(2025年3月)。
詳しい内容は 追記 にまとめていますが、現在は休業状態になってます

フィットネスクラブやマクドナルドのある6番街(左)と、ベイタウン5番街(右)

次はいよいよ「ベイタウン本牧5番街」へ行ってみます。

イオンの真向かいに建っている大型商業施設。一時は廃墟化していましたが、2010年に見事復活を果たします。今では地域密着型の商業施設として営業していますが、実はこの場所こそが、かつてのマイカル本牧の賑わいと熱狂の中心地 だったのです。(そして再び廃墟化したわけですが…)。

迷路のような店内

独特の世界観を持っている階段通路。

“国際感覚にあふれるエキサイティングな街” をコンセプトに、映画館やライブハウス、プールやクラブなどのありとあらゆるエンターテイメントを集結させた5番街。

そこは、日常生活から離れた 華やかな祝祭空間 でした。

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そんなバブルの夢の跡も、今や “庶民感覚あふれる日常の街” です。

館内にはどこにでもあるようなチェーン店(実際にはそれが一番便利なのですが)が並び、ランチタイムのサイゼリヤはささやかな賑わいを見せていました。

建物内は空間を持て余しており、至るところにある空きスペースにはアーケード型ゲーム機が置かれてます。その一方で、3階と4階を結ぶ長〜い階段巨大な吹き抜けなど、かつてのエキサイティングな街の名残も見られます。

本牧坂

建物のだいぶ奥までやってくると、いきなり謎の屋外空間が現れます。

裏路地というものは、建物と建物の隙間にできるもの。1つの建物の中にあるはずのない空間が、ここでは意図的に造られているのです。

ところが、裏路地沿いには隠れ家バーやお洒落カフェがあるわけではなく、歩く人もほとんどいません。バックヤードに紛れ込んでしまったかのような気まずさを感じて、早々に出てしまいました。

屋上

当ブログでは “デパートの屋上の魅力” を発信していますので、最後に屋上へ行ってみます。

4階の屋上(というよりは中庭)は、ドッグランとして活用されてました。4階はほとんどペットショップ専用フロアになっており、高級住宅地 本牧のペット需要を一手に担っていたようです。

航空写真で見てみると、他にも屋上空間が存在することがわかります。しかし現在は立ち入ることができず、また5階より上はフィットネスクラブ専用フロアになので、そもそも近づくことすらできませんでした。

旧マイカル本牧で最大級の規模を誇る5番街ですが、その全容は掴めないのです。

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テナント撤退から現在まで(2026年1月16日追記)

と、なんやかんやで本牧の住民たちに利用されていた「ベイタウン本牧5番街」ですが、先に述べた通りに現在は休業状態になっています。

2025年11月末に大手不動産会社「エムトラスト」に買収されており、一時は “解体されてマンションになるんじゃないか” と噂されていましたが、その後 2027年に商業施設としてリニューアルオープン することが発表されました。(ただし、計画が変わる可能性も0ではないですが…)。

主なテナントと閉店日

1階 ・生鮮 食品スーパー ※2025年12月31日に閉店
   ・ドラッグストア  ※同日に閉店
   ・ローソン     ※唯一営業している

2階 ・はま寿司  ※同年11月16日に閉店
   ・サイゼリヤ ※同年12月15日に閉店

3階 ・ダイソー      ※同年9月28日に閉店
   ・リサイクルショップ ※同年10月5日に閉店

4階 ・ペットショップ   ※同年11月30日に閉店

5階 ・フィットネスクラブ ※同年12月20日に閉店
6階

本牧という街

退店後は、そのままペデストリアンデッキを通って本牧山頂公園へと向かいました。園内では犬を散歩する人が、やたら目に入ります。

外からのアクセスが悪いと言えども、ここは人口377万人を誇る横浜市内。周辺には高級住宅地が広がっており、マンションもたくさん並びます。ただちょっとバブル期に勢いよく造りすぎただけで、けっして需要がないわけではないのです。

オープン当初の国際色や派手さは失われましたが、代わりにペットショップやフィットネスクラブ、ファーストフードなどが入った商業施設。再び大きな岐路に立たされており、今後の動向が注目されています。

訪問日 2025年3月

アクセス

所在地:神奈川県横浜市中区本牧
バス停:横浜市営バス「和田山口」

イオン本牧店 ▶ 公式サイト
ベイタウン本牧5番街 ▶ 公式サイト

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