土浦高架道の立体商店街|モール505

茨城県土浦市には、まるで立体都市のような商店街があります。

土浦高架道路(通称 土浦ニューウェイ)開通とともにオープンした新しいショッピングセンターは、かつて “モール型商業施設の先駆け” として名を馳せます。そして現在は…

土浦ニューウェイ

常磐線の上を通過する土浦ニューウェイ。

モール505を語るには、まずは土浦ニューウェイを説明しなくてはなりません。

1985年(昭和60年)に開催された筑波科学博に併せて造られた 土浦高架道 。JR土浦駅東口から市街地西部へ至る自動車専用道路です。

万博開催期間中には多くのシャトルバスが運行され、来場者輸送に貢献しました。

また土浦ニューウェイの建設は、単なる道路整備にとどまらず、中心市街地の商業活性化も目指されます。

川口ショッピングセンター モール505

土浦ニューウェイ開通と同じく1985年にオープンした「川口ショッピングセンター モール505」。全長は505mもあり、完成時は日本最長のショッピングモールでした。

当時のJR土浦駅西口周辺には、イトーヨーカドー、西友、京成百貨店、丸井、小網屋などの商業施設がある 茨城県南部 随一の商業集積地 でした。そこに近代的なショッピングモールが加わることで、さらなる賑わいを生んだのです。

地上3階建ての商業棟と高架道路下の歩行者空間からなる。

緩やかにカーブしているのは、かつての「川口川」の名残です。

戦前から戦後にかけて埋め立てられた後に、跡地は市営駐車場などに活用されます。そこへ万博開催が決まると、わずか2年の突貫工事で高架道を造ってしまったのです。

高架下を歩いてみると、どことなく “失われた川の流れ” が感じられました。

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ショッピングモールへの過渡期

かつて一世を風靡したショッピングモールも、竣工から40年が経過して施設の老朽化や陳腐化が進んでいます。とくに2階と3階は、ほとんどが空きテナントの状態です。

衰退したのはモール505だけではありません。

モータリゼーションにより郊外型商業施設が増え続けた結果、土浦市街地の商業地としての地位は大きく低下 します。かつて駅前に並んでいたデパートは全て撤退し、代わりにバイパス道路沿いやつくば新市街地が新たな商業地となったのです。

一方で “旧来の百貨店や商店街から現在のショッピングモールが誕生するまで” の 商業形態の過渡期 にできた施設として捉えてみると、なかなか興味深いものがあります。

商店街
ホーム > 商業地と広場江戸時代の庇下や雁木を原型に、大正時代には西洋のパサージュの影響を受けつつ、日本独自の発展を遂げてきた商店街のアーケード。雨の日にも快適なショッピングが楽しめるとして、全国に普及しました。1950〜60年代: 全天候...

3層のフロアに様々な店舗が連なる様子は、商店街というよりはイオンモールに近い構造です。屋外という点では、アウトレットモールのようにも見えるでしょう。モールの洗練された雰囲気からはほど遠いものの、確かにその源流を感じることができました。

一方でイオンモールやアウトレットモールは、既存の市街地との関係を断ち切り “郊外” に進出します。市街地の商業の近代化に貢献したモール505ですが、それでも時代の流れには対応できなかったのです。

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実現しなかった新交通システム

夕暮れ時になると、どこかレトロフューチャーでサイバーパンクな雰囲気が漂い始めました。

JR土浦駅西口からすぐという立地もあり、居酒屋や飲食店などが開き始めます(それでも賑わいからは程遠いですが)。

モノレールや新交通システムのようにも見える。

モールの象徴とも言える高架道は、もともと新交通システムに転用する計画でした。

もし計画が実現していれば、土浦市とつくば市の両方から集客することができたかもしれません。モール付近にも新駅が設置されれば、駅直結の商業施設として賑わい続けたかもしれません。

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しかし、新交通システムの計画は頓挫します。

2006年にはつくばエクスプレスが開業したことで、つくば市は念願の都心直結を果たします。駅周辺には新しいショッピングモールも造られ、今では土浦市の商圏を脅かす存在にまでなっているのです。

一方で、もし今でもモール505が人気を集めていたら、施設は新しくリニューアル(もしくは建て替え)されたことでしょう。人気が落ちたからこそ、大きな手を加えられずに 40年前の状態を保っている のかもしれませんね。

訪問日 2025年9月

アクセス・宿泊

HP:公式サイト
交通:JR土浦駅から徒歩5分
宿泊:土浦市内の宿泊施設 一覧は こちら から。
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