かつてデパート屋上遊園地で稼働していたミニ観覧車。およそ半世紀前に「養老ランド」へやってきて、今も現役で活躍しています。
養老ランド

1973年(昭和48年)にオープンした養老ランドは、岐阜県養老町にあるちびっこ遊園地。
まるで夢の中に出てくるような雰囲気の「屋内遊園地」と、青空の下にレトロな乗り物が並ぶ「屋外遊園地」の、2つのエリアがあります。

入園料(大人600円、子ども400円)を払うと、まずは大きな建物内に入ります。メリーゴーランドを横目に右手へ進んでいくと、扉のすぐ向こうに突如 “観覧車” が現れました。
さりげなく観覧車

観覧車って、遠くから見えるランドマーク的な役割を担うのが普通ですが、ここではいきなり目の前に現れます。それも全部を見せずに、およそ4分の1だけ姿を見せます。どーんと全体像を見せて華やかさを演出してもいいのに、さりげなく見せてくるのです。
養老ランドの観覧車の魅力は “さりげなさ” にあると言っても過言ではないでしょう。

「屋内遊園地」と「屋外遊園地」を結んでいるメインアプローチも、さりげないというか殺風景な通路になっています。一方で、その殺風景さと観覧車の組み合わせが、独特な味わいを生んでいるのです。
屋上に観覧車

観覧車研究家の福井優子氏のこちらの記事によると、1967年(昭和42年)に岐阜県一宮市の百貨店「グランドタコマシ」の屋上遊園地に設置されたのが、この観覧車の始まりだそうです。
そういえば、扉越しに見えた観覧車の姿は、どことなくデパートの屋上を彷彿させる風景でしたね。

その後は大垣市内のデパート屋上に移設されて、1975年(昭和50年)に養老ランドにやってきます。

観覧車は “屋上” に置かれています。殺風景な空間を彩るカラフルな装飾は、まるでデパート屋上時代を再現するかのようです。
一方で “屋上” には観覧車以外の遊具はなく、かつて1階にあった売店も閉鎖されています。もはや 観覧車のためだけに存在する “屋上” であり、ほとんどトマソンです。

それでは、さっそく乗ってみましょう!
ここでちょっと本の紹介。
表紙をクリックすると、楽天市場に移ります。
気になる1冊は見つかりましたか?
selected by レイワレトロ書店
レトロ遊園地の観覧車

料金は1人200円とリーズナブルですが、乗るときはさながらVIP待遇です。スタッフを呼び出して、乗り込むときには回転が止まり、回っているときは暖かく見守られます。
ここのアトラクションは基本的にスタッフが常駐していないのですが、階段の昇り降りのある観覧車はなかなか大変そうに見えました。

ゆっくりと動き始めると、麓にはパステルカラーに彩られた遊園地が広がります。ゴンドラには窓がなく、解放感は抜群です。
観覧車は高さ12mと低いものの、そもそも遊園地の標高が高いことから、意外にも遠くまで見渡すことができました。天気が良ければ、名古屋の高層ビル群も見えるそうです。
一方で反対側には養老山地が間近に迫ります。ここが濃尾平野の西の果てだと実感できる光景です。

ちょうど訪れたのは8月の真夏日で、屋外を歩き回るのは正直かなりきつい日でした。しかしゴンドラが動き始めると、涼しい風が吹き抜けてきて、一気に爽やかな気分になります。
およそ3分程度の短い乗車時間でしたが、なんだかとてもリフレッシュできた時間でした。

訪問日 2025年8月24日
