どこかメルヘンチックな駅前商店街。
ここは、JR小海線の中込駅前の風景です。


信州の山々に囲まれた小さな町。地元民に混じって駅を降り立つと、お洒落で可愛らしい街並みが広がっていました。
中込駅と駅前商店街
JR小海線といえば “日本一標高の高い鉄道路線”
ですが今回訪れた「中込駅」は、山を下りきったところに位置してます。佐久盆地の中にあり、周囲には市街地も広がっています。



駅前に続く商店街は日本的な風景であり、それでいてメルヘンチックにも感じられます。周囲の山々も相まって、まるで “和製スイス” のような雰囲気です。
個性派ビルと時計塔

グリーンモールセブン
ひときわ目立つ建物は「グリーンモールセブン」。複数のテナントが入る商業ビルです。
“和製スイス”の印象の8割は、この時計塔から来ています。2つの尖塔が並ぶ建物は、この街のランドマークです(右の尖塔は別の建物ですが)。

ところが、館内はテナント募集中ばかり。他も空き店舗だらけでしたが、街を代表する(と思われる)建物までも中身がスカスカだとは……。少々拍子抜けした気分です。
立派な街並みに、まばらな人影。
車社会の地方都市、ましてや観光地でもない地域。駅前商店街が生き残るには、かなり厳しい環境だったようです。
サンテラス

商店街の突き当たりにある「サンテラス」。1階は店舗、2,3階は駐車場となっている商業ビルです。こちらも活気はありませんでしたが、駐車場を設けて車社会に対応しようとする、市街地の工夫が感じられました。
歩行者空間グリーンモール

ここ中込商店街は「グリーンモール」と名付けられています。
1983年(昭和58年)の土地区画整理事業 によって生まれた街並みは、公園のような歩行者空間を軸に広がっています。郊外のロードサイトとは真逆の、徒歩と公共交通機関が主役の街づくりです。

完成当時は商店街の近代化や先進的な商業地の成功事例として持て囃されましたが、竣工から40年以上経った現在は老朽化や過疎化が深刻化しています。
ここでちょっと本の紹介。
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擬洋風建築と昭和日本的メルヘン

旧中込町のシンボルである「旧中込学校」。明治8年に建てられた擬洋風建築の学校で、国の重要文化財にも指定されています。
この旧中込学校を模して建てられたのが「喫茶 明正堂」です。もしかしたら、他の商店街の洋風建築はここからインスピレーションを得たのかもしれませんね。



そういえば、同じくJR小海線沿線の「清里」では、1980年代にメルヘンチックな洋風建築が大量に造られました。(現在はファンタジー廃墟と呼ばれています)。
どうも昭和の日本は、美しい山々の風景の中にメルヘンチックな街並みを作りたがっていたようです。もっとも、今となってはメルヘンよりも昭和の方が強く感じられるのですが。
小海線の鉄道の町
もし、JR小海線の旅で途中下車するならば。
まずは高原リゾート地の「清里駅」や「野辺山駅」をおすすめします。しかし、実は最も訪れやすいのは中込駅なのです。



というのも、清里や野辺山あたりは本数が少ない閑散区間なのに対し、中込駅から小諸駅までは運転本数がかなり多いのです。
発車までの間、ホームにずらりと並んだヘッドマークを眺めます。あまり知りませんでしたが、「中込」って鉄道の町だったんですね。開業当初は小海線(当時は佐久鉄道)の終着駅であり、現在も車両基地が併設されている、運行上の拠点なのです。

訪問日 2023年12月
アクセス
「中込」は、長野県佐久市にある街。中込商店街の公式サイトはこちらから。

