前橋の中心市街地|街なか、めぶく

前橋 VS 高崎の対立はあまりにも有名ですが、実際には高崎の方が圧倒的に都会的です。しかし、前橋の中心市街地にも、高崎とは違った “都会的な魅力” が秘められていました。

街はずれの前橋駅

群馬の玄関口である高崎駅から、JR両毛線に揺られること15分。県庁所在地の中心「前橋駅」に到着しました。

新幹線や上野東京ラインなどが乗り入れ、ビルやデパートが立ち並ぶ高崎駅前と比較すると、前橋駅前は驚くほど穏やか。ストレートに表現するならば “田舎っぽい” です。

県都前橋
ホーム > 街を旅する前橋市は、赤城山の裾野に広がる「水と緑と詩のまち」。製糸業で築いた栄華を礎に、現在は官民一体となった全国屈指のリノベーションまちづくりで変貌を遂げています。都市の骨格都市規模:人口約33万人の中核市。群馬県の県庁所在地...

しかしながら、インターネット上でもショボすぎる県庁所在地と揶揄されることも少なくない前橋ですが、それはあくまでも “駅前” に限った話です。

国道50号・17号沿いの中心市街地

駅前のメインストリートを北へ700mほど進むと、風景が一変します。

国道50号から17号沿いにかけてビルが立ち並び、その間には商店街やデパートを擁する商業エリアが広がっています。上毛電鉄の「中央前橋駅」も立地しているこの場所こそが、前橋市の “駅から少し離れた中心市街地” なのです

本町二丁目交差点を過ぎると、一気に都会的な街並みが広がる。

プチ金融街の都市景観

高崎駅周辺の都会っぷりは県内随一ですが、一方で けやき並木沿いに金融機関やオフィスビルが整然と並ぶ街並みも、県都らしい気品と風格があります。

西を向けば高さ153mの群馬県庁がそびえ立っており、まるで群馬の中枢は 高崎ではなく 前橋だと喧伝するかのようでした。

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スズラン百貨店

表通りから一歩奥まった場所、商店街沿いに立地しているのが「スズラン百貨店 前橋店」です。中心市街地の商業の核を担う、市内唯一のデパートとなっています。

全国的に地方百貨店が苦境に立たされる中で、今なお中心街の顔として営業を続けているスズラン。その姿は、非常に頼もしく感じられました。

アーケード商店街

複数のアーケード街を擁する街なかは、どこか西日本的・都市を思わせる。

スズランを中心に、西側には「中央通り商店街」と「弁天通り商店街」、東側には「オリオン通り商店街」と、複数の商店街が展開しています。

いずれも立派な全蓋式アーケードを擁しており、中心市街地の縦軸として機能しています。

アーケードの充実度や歩行者数を見ると、前橋の商店街はかなり健闘してます。駅前を除いた “旧来の市街地” だけで比較すれば、その活気は高崎を凌ぐほど です。

老舗商店や閉鎖された店舗に混じって、スタイリッシュな新しいお店も増えつつある中心市街地。実は数年前まではシャッター商店街化が深刻化してたのですが、近年は “復活の芽吹き” を見せているのです。

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めぶく ‐市街地活性化プロジェクト‐

建築家の藤本壮介氏が手掛け、2020年にオープンした白井屋ホテル。

前橋市では2016年に、官民連携のビジョン「めぶく。」を策定。それ以来、デザインやアートを軸にした中心市街地の活性化 に本腰を入れています。

その施策は着実に実を結んでおり、2018年頃を底にして街に人が戻りつつあります。2026年秋には第1回「前橋国際芸術祭」も開催予定で、さらなる魅力化が進められているのです。

馬場川通り

縦軸のアーケード商店街に対し、横軸を担っているのが「銀座通り」「馬場川通り」です。

特に「馬場川通り」はウォーカブルな空間として整備されており、老朽化した旅館からアートホテルへと転生した「白井屋ホテル」や、西海岸のいつもの味の「ブルーボトルコーヒー」など、市内随一の高感度なスポットが並んでいます。

北関東で唯一出店しているブルーボトルコーヒー 白井屋カフェ。

訪問日は三連休の中日だったのですが、域外からの観光客はほとんどおらず 地元の若者が多く歩いていた のが印象的でした。まるで “東横線沿線都市” のような洗練された街が、群馬にもあったんですね。

アーツ前橋

馬場川通り沿いにあるもう1つの象徴的な施設が「アーツ前橋」です。

前橋プラザ元気21
本館:旧西友リヴィンの商業棟。市の行政機関やこども図書館、公民館などが入る。
別館:駐車場棟。3階に映画館、1,2階と地下に現代美術館「アーツ前橋」が入る。

ここにはかつて「西友リヴィン前橋店」が営業していましたが、2004年に閉店してしまいます。跡地は公共施設として生まれ変わり、2013年には「アーツ前橋」が誕生しました。

当初は「ハコモノ行政」との声もありましたが、今ではアートによる街づくりの核として定着しつつあります。消費の拠点から文化の拠点へ。この場所こそが、前橋再生の起点と言っても過言ではないでしょう。

広瀬川

もう1つの活性化の軸が、市街地北側を流れる「広瀬川」です。

川沿いでは定期的にマルシェが開催されるなど、賑わい創出が行われています。「萩原朔太郎記念・水と緑と詩のまち前橋文学館」や「若い太陽の塔」など、どこか文化的な香りも感じさせるエリアです。

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前橋市:やよいひめ(いちご)、肉製品、焼きまんじゅう …
高崎市:ハーゲンダッツ、洗剤、柔軟剤、ホルモン …
伊勢崎市:雪肌精、ペヤングソース焼きそば …
桐生市:銀だこ、ひもかわうどん …
藤岡市:洗剤、柔軟剤、地酒 …

駅前の高崎、街なかの前橋

駅ビルのモントレー、イオン系列のオーパ、デパートの高島屋が並ぶ高崎駅西口。

隣接する高崎市は、新幹線開業を機に “駅前” に機能が集約されていった典型的な東日本・首都圏型の街です。駅周辺は圧倒的に都会的ですが、一方で、かつての中心街が空洞化してしまった側面は否めません。

対する 前橋市は、現在に至るまで “街なか” が街なかであり続けています。これは市街地活性化の賜物であり、また前橋駅周辺の開発が進まなかったことも要因の1つと言えるでしょう。

赤城山の麓に位置する前橋市。
街歩きを終えて、前橋駅に戻ってきた。

利便性やビジネス面では高崎市の方が優位であり、商業面でも郊外型店舗に押されている面は否定できません。しかし、休日にゆっくりとカフェを楽しみ、アートに触れ、新旧の店舗を巡る。そんな “街を歩く楽しさ” を感じるならば、前橋は北関東随一のポテンシャルを秘めた街だと言えるでしょう。

訪問日 2026年2月

アクセス・宿泊

HP:前橋市 公式サイト(観光)
交通:東京駅から高崎駅まで約50分(上越新幹線)、高崎駅から前橋駅まで約15分(両毛線)
   バスタ新宿から高速バスで約2時間半〜3時間(日本中央バス等)

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