福岡県北九州市小倉区にある、老舗百貨店の屋上広場。開放感溢れる空間から、迫力ある都市景観を一望することができました。
小倉井筒屋

山陽新幹線「小倉駅」からおよそ800mほど離れた、紫川の畔にある巨大なデパート。北九州市の地場資本百貨店である「小倉井筒屋」です。

1936年(昭和11年)に小倉本店が開業。1973年(昭和48年)には隣接地を取り込み2倍以上となる大増築が実施されて、現在の本館の姿となります。1998年(平成10年)には向かいに「新館」も開業し、地域最大級の店舗面積を誇るようになりました。

かつて北九州市内には、黒崎に「そごう」「井筒屋」、小倉駅前に「そごう」「玉屋」がひしめきあっていましたが、いずれも閉店してしまいます。現在は この「小倉井筒屋」が 市内唯一の百貨店 です。
全盛期には福岡市内や久留米、飯塚など県内各地に展開していた「井筒屋」も、現在は小倉と山口市の2店舗のみとなっています。
屋上 9階

屋上広場のある、本館9階にやってきました。
エスカーレーターを上がると、すぐ目の前にカウンタースタイルの「お好みスタンド ビオレ」があり、芳ばしいソースとローカルな雰囲気が香ります。その先には、

扉の向こうに、落ち着いた雰囲気の「屋上広場」が広がっていました。
大屋根に覆われたエリアには、大量の椅子と机が並べられており、ゆっくり過ごすことができそうです。

寒い時期に訪れたためか、屋外には誰もいませんでしたが、暖かい時期であれば居心地の良い空間になることでしょう。買い物の間に休憩したり、デパ地下のものを食べるのにもぴったりです。
ローズガーデン

屋上の一角には「ローズガーデン」が広がっています。
丁寧に手入れされた花壇には薔薇の花が咲き誇り、その傍らではローズショップが営業しています。どうやら、現在の屋上は “大人のための静謐な空間” となっているようです。

しかし、かつてこの場所は “子供が主役” の空間でした。
遊園地とアスレチック

昭和後期から平成初期にかけて、ここには観覧車やモノレールなどのアトラクションがひしめく「屋上遊園地」が存在しました。
2003年(平成15年)になると 北欧スタイルの大型アスレチック が設置されます。 スウェーデン語で “わんぱくな子供” “空” を意味する「グラーダバーン ヒンメル」としてリニューアルされ、多くの親子連れに親しまれました。

しかし2014年(平成26年)に撤去されてしまい、“子供のための屋上” は終わりを迎えました。
安全基準の厳格化やメンテナンスコスト、少子化や地方百貨店の事業環境の変化などにより、もはや屋上に大型遊具を置くことは困難だったのです。
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北九州シティービュー

屋上広場は建物の北側に位置しており、地上約40mから北九州・小倉の市街地を一望することができます。
北東には、小倉駅前のビル群が広がっており、駅ビルの「アミュプラザ小倉」や、当初は “そごう” だった「セントシティ」などの大型商業施設が目立ちます。駅からここまでの約800mの間には「魚町銀天街」などアーケード商店街も広がっており、県内有数の商業集積地となっています。

足元を見ると、ちょうど西鉄の連節バスが国道199号(勝山通り)を通っていきました。
かつてこの大通りには「西鉄北九州市内線」の路面電車が走っており、井筒屋の前にも「魚町電停」が設けられていました。1992年(平成10年)に廃止されて、現在は西鉄バスがその役目を受け継いでいます。

西側には、ゆったりと流れる「紫川」と、対岸には「小倉城」がそびえ立ちます。その城下町として発展してきた旧小倉市の中心市街地。現在もその場所には、デパートが立っています。
城の南には、現在の政を司る「北九州市役所」、北には特徴的な外観の「リバーウォーク北九州」という商業・文化施設がそびえ立ちます。

屋上の北端には、デパートの屋上には欠かせない “祠” があります。ちょうどそこから眺められるのが、今日の北九州市の発展になくてはならない「北九州工業地帯」です。

明治時代に「官営八幡製鉄所」が置かれ、戦前から1970年代にかけて九州最大の人口を誇るまで成長した、福岡県北九州市。ここから見えるのはほんの一部にしか過ぎませんが、重厚感と迫力のある眺めでした。
訪問日 2025年12月
アクセス
HP:公式サイト
場所:小倉駅から徒歩10分(約800m)
