函館市の新市街|本町・五稜郭地区

函館市電で駅前から郊外へ向かっていると、突如としてビルやデパートの並ぶ都会が現れます。

やってきたのは函館市電 五稜郭公園前電停。本町・五稜郭地区と呼ばれるこのエリアが、現在の函館市の中心市街地です。

しかしながら、なぜ駅からも港からも離れたこの場所が、中心街として発展してきたのでしょう?

函館市電「五稜郭公園前」電停

まだ函館へ行ったことがない頃の私は「中心市街地は函館駅前や西部地区であって、それ以外の場所には何も無い」と思っていました。しかし、その考えは大きく覆されます。

いざ函館にやってきて、市電に乗って湯の川温泉へと行く途中。“謎の大都会” に遭遇したのです。

“謎の大都会” とは五稜郭・本町地区のこと。市電「五稜郭公園前電停」を中心に広がる、函館市の中心市街地です。

路面電車
ホーム > 建築と乗り物 > 都市軌道モータリゼーションにより大都市から姿を消した路面電車でしたが、近年では環境意識の高まりやまちづくりの観点から見直されています。北海道:札幌市 函館市関東 :東京23区 宇都宮市(芳賀町)中部 :富山市 ...

「五稜郭前電停」の乗降客数は、函館市電で最大(なんと函館駅前より多い)で、1日2700人が利用します(2022年)。

五稜郭までは徒歩15分ということもあり観光客の利用も目立ちますが、実際に大半を占めるのは地元の買い物客や通勤客たち。中心市街地への最寄りとして機能しているのです。

写真奥へまっすぐ伸びていた宮前線。

現在は1路線しかない電停ですが、かつては「宮前線」が分岐していました。

ガス会社前を経由してJR函館駅やJR五稜郭駅までを結んでいましたが、乗客の減少により1993年(平成5年)に廃止されています。

丸井今井百貨店

それでは、五稜郭・本町地区を散策してみましょう。

まず目に入るのは丸井今井百貨店函館店。この地を中心市街地たらしめている、地域の中核的な役割を担うデパートです。

1969年(昭和44年)に現店舗がオープンしたのですが、もともとは西部地区の十字街・末広町に店を構えていました。

中心市街地の遷移とともに店は移転し、かつての建物も保存・活用されています。

市内にはもう1つ、函館駅前・大門地区の「棒二森屋」があり、長らく函館市の2大デパートとして競合してきました。ところが2019年に閉店してしまいます。

そのため現在では市内唯一の百貨店となっているのです。

玉川高島屋S.C.の屋上庭園|OSOTO‐FOREST‐ROSE
ヤシの木や果樹に囲まれたリゾート空間「PARK&TERRACE OSOTO」。クスノキやどんぐりの木に囲まれた森林空間「フォレストガーデン」。バラの咲き誇る英国式庭園「ローズガーデン」。「玉川高島屋S.C.」にある、3つの屋上庭園を巡ります...
銀座三越の屋上|銀座テラス
屋上データ評価ポイント規模 ★コンパクトな規模滞在 ★★椅子と机、長ベンチもあるが、利用者が多く座れないことがある遊戯なし眺望 ★壁が高く、周辺のビルが多少見える程度※評価に関する詳細はこちら現在の屋上 ▶ 現代的な賑わい空間。誰でも立ち入...
アルネ・津山/天満屋百貨店|中心街の要塞建築
岡山県津山市。中国山地の山あいに位置する小さな市街地を歩いていると、商店街の奥で巨大なハコモノ施設にたどり着きました。南北 約160m、高さ 約35mにも及ぶその姿は、まるで街なかに現れた要塞のようでした。バブル期の巨大建築1999年(平成...
そごう横浜店の屋上|太陽の広場
横浜駅の東口にある「そごう横浜店」の屋上には、バブルの熱気と芸術の勢いを感じる「太陽の広場」があります。屋上データ評価ポイント規模 ★★★探検できるくらいの広さがある滞在 ★座れる場所がある遊戯 ★子供が遊べるちょっとした広場がある眺望 ★...
デパートの屋上へ出かけよう!|屋上データ評価基準
当ブログに掲載している「屋上データ」について、評価の基準を示します。なお掲載している記事は、日本百貨店協会に加盟するデパートの他にも、ショッピングセンターや駅ビル商業施設などの屋上も取り扱っています。評価はすべて、実際に現地に足を運んで判断...

本をクリックすると楽天市場に移動します。
selected by レイワレトロ書店

西部地区から内陸・郊外へ 

もともと函館の市街地は、函館半島(西部地区)に広がっていました。そこで最初の繁華街となったのが、半島の中心にあり港にも隣接する 十字街・末広町 です。

ところが交通の中心が船から鉄道へ移ると、函館駅前・大門地区 へと賑わいが移ります。青函連絡船の発着する北海道の玄関口は、戦前から戦後にかけて全盛期を迎えました。

しかし昭和40年台になると、今度は 五稜郭・本町地区 に商業施設が集まり始めます。

当時の函館市は、半島部から内陸部へと市街地が拡がりつつありました。1973年(昭和48年)に旧亀田市と合併すると、本町・五稜郭地区はちょうど新しい市域の中央付近になったのです。

またモータリゼーションの観点からも、郊外からの車のアクセスに優れてた点は見逃せません。

函館空港からも比較的近い。

今では交通の中心は車になりましたが、一方で、車に依存し過ぎたために没落してしまった中心市街地も全国各地にあります。

五稜郭・本町地区には、函館市電が6〜8分間隔で運行されています。函館駅前までは約15分、十字街までは約21分で移動できます。賑わいを維持している中心市街地の背景には、便利な公共交通機関の存在も大きいでしょう。

北九州モノレール・モダニズム|北九州高速鉄道小倉線
1985年(昭和60年)に開業した「北九州モノレール」は、小倉から企救丘までの全13駅からなる路線。都心と郊外をつなぐ重要な交通インフラとして機能しています。北九州モノレールとは全国には、東京、多摩、千葉、舞浜、湘南、大阪、北九州、沖縄の8...
阿佐海岸鉄道(阿波海南→東洋町)|DMV乗車レポ
徳島県最南端と高知県最東端を結ぶ「阿佐海岸鉄道阿佐東線」には、世界初の乗り物「DMV」が運行されています。一般道を バス として走ったDMVは、阿波海南駅で 鉄道 になって甲浦駅までの線路を走行。再び一般道へと降り立ち、東洋町や宍喰温泉の道...
高知の路面電車|とさでん交通 南北線(駅前線・桟橋線)
高知の路面電車「とさでん交通」は、はりまや橋を中心にして 南北線(桟橋線・駅前線) と 東西線(後免線・伊野線) からなります。・南北線 高知駅前ー(0.8㎞)ーはりまや橋ー(2.4㎞)ー桟橋通五丁・東西線 後免町ー(10.9㎞)ーはりまや...
函館市電が分岐する半島の旧市街地|十字街
函館市内の西部地区は、港に隣接した市街地として古くから栄えてきました。なかでも十字街は、2つの路面電車が分岐している、旧市街の交通の要衝です。十字街電停左:周辺には小規模なアーケード街が広がる右:建設中の新しい停留所が見える函館市電に乗って...
東山公園モノレールとスカイビュートレイン|名古屋
愛知県名古屋市にある東山公園には、「スカイビュートレイン」という跨座式モノレールが運行されています。一方で、園内にはもう1つモノレールがあります。およそ50年以上前に廃線となった「東山公園モノレール」。新交通システムの黎明期に建設された懸垂...

再開発ビル「シエスタハコダテ」

そんな五稜郭エリアも、近年は郊外型の大型商業施設に押されつつありました。産業道路沿いの美原地区にロードサイト店が展開する一方で、函館西武デパートやテーオーデパートは姿を消しています。

そんな中で2017年に「シエスタハコダテ」が誕生しました。2009年に閉店したダイエーグルメシティの跡地を再開発した複合商業施設です

館内は、地下1階から地上3階までが商業施設となっており、無印良品やスターバックスなどが入ります。5階から19階は分譲マンションとなっており、近年の再開発でよく見られる形態となっています。

4階へ上がると、函館出身のロックバンド「GLAY」が掲げられた、コミュニティプラザになっていました。

同エリアは史跡五稜郭はもちろん、函館山や湯の川温泉などの観光拠点を結ぶ導線上にあります。人口減少の進む函館市ですが、観光客の立ち寄りが見込めるというのは大きなアドバンテージです。

函館の旅
ホーム > 街を旅する北海道南西部に位置している函館市は、函館山という陸繋島と扇状の函館平野の2つのエリアのある独特な地形が特徴です。津軽海峡を挟んで本州との結節点であり、古くから国際貿易港として栄え、北海道の玄関口の役割を果たしてきました...

再開発は函館駅前・大門地区でも進められています。

2017年には和光ビル跡地の「キラリス函館」がオープンし、現在は「棒二森屋跡地」で再開発工事が進められています。新幹線が札幌まで伸びれば、“駅前” の存在感はより大きくなることでしょう。

駅から離れた中心市街地がリードを続けるのか、はたまた再び駅前の時代が訪れるのか。函館市街地の今後に注目です。

訪問日 2023年9月

アクセス・宿泊

交通:函館駅前から五稜郭公園前まで15分
HP:函館市電ポータルページ

宿泊
函館市周辺のホテルの予約は こちら から。
※楽天トラベルへ移動します。

ふるさと納税
バナーをクリックすると楽天市場に移動します。北海道函館市の返礼品を、少し覗いてみませんか?

函館の旅

函館市の新市街|本町・五稜郭地区
函館市電で駅前から郊外へ向かっていると、突如としてビルやデパートの並ぶ都会が現れます。やってきたのは函館市電 五稜郭公園前電停。本町・五稜郭地区と呼ばれるこのエリアが、現在の函館市の中心市街地です。しかしながら、なぜ駅からも港からも離れたこ...
函館市電が分岐する半島の旧市街地|十字街
函館市内の西部地区は、港に隣接した市街地として古くから栄えてきました。なかでも十字街は、2つの路面電車が分岐している、旧市街の交通の要衝です。十字街電停左:周辺には小規模なアーケード街が広がる右:建設中の新しい停留所が見える函館市電に乗って...
日本最古の現役観覧車|函館
北海道函館市には、現役で稼働するものでは日本最古の観覧車があります。まるで海外の移動遊園地のような長椅子型のゴンドラに乗って、ゆっくりと上がっていくゴンドラ。最高部の高さ10mからは、函館の海が見えました。函館公園こどものくに1956年(昭...
函館公園こどものくに|昭和20年代の遊園地
1956年(昭和31年)開園の 函館公園こどものくに。園内にはレトロでかわいい遊具が並んでいますが、なかでも「観覧車」「飛行機」「メリーゴーランド」は昭和20年代から稼働している骨董品レベルのアトラクションです。函館公園こどものくに1879...
函館のレトロデパートとエレベーター|旧丸井今井百貨店函館店
丸井今井百貨店函館市電 十字街電停からすぐのレトロ建築。1923年(大正12年)に竣工した丸井今井百貨店 函館支店。鉄筋コンクリート造3階建ての建築で、最上階にはドーム型の展望台も設置されました。当時の函館市は、東北以北で最大級の都市。函館...
タイトルとURLをコピーしました