ヤシの木や果樹に囲まれたリゾート空間「PARK&TERRACE OSOTO」。クスノキやどんぐりの木に囲まれた森林空間「フォレストガーデン」。バラの咲き誇る英国式庭園「ローズガーデン」。
「玉川高島屋S.C.」にある、3つの屋上庭園を巡ります。
屋上データ
| 評価 | ポイント |
|---|---|
| 規模 ★★★ | 探検できるくらいの広さがあり、席数も多い |
| 滞在 ★★★ | 日差しを遮れる机と椅子があり、自然も豊か |
| 遊戯 ★ | 子供が遊べるちょっとした広場がある |
| 眺望 ★★ | 多摩川が眺められるが、眺望場所は整備されてない |
現在の屋上 ▶ 現代的なデザインの屋上庭園。誰でも立ち入り可能
屋上遊園地 ▶ 当初から無し
玉川高島屋S.C.

二子玉川といえば、多摩川沿いの緑豊かな住環境にグルメやショッピングも楽しめる、洗練されたお洒落タウンのイメージがあります。
東急田園都市線・大井町線が交差する二子玉川駅を起点に、東口には「二子玉川ライズ」、オフィスやマンション、公園が一体となった新しい街が広がっています。その一方で古くから街の顔として親しまれているのが、西口の「二子玉川高島屋S.C.」です。
1969年(昭和44年)のオープン以来、二子玉川の歴史とともに歩んできた、専門店群と百貨店からなる大規模な商業施設です。

駅からペデストリアンデッキを通って「南館」へやってくると、2階から7階までひと繋がりの屋外空間が現れました。エスカレーターと吹き抜けが組み合わされた、立体的で現代的なデザインのテラスです。
それでは、館内に入らずに7階の屋上へ向かいましょう。
PARK&TERRACE OSOTO(南館 屋上7階)



南館の屋上にやってくると、どこか異国のリゾート地を思わせるみずみずしい緑の空間が広がりました。
2019年のリニューアルによって誕生した「PARK&TERRACE OSOTO」は、アメリカ・西海岸の自由で洗練された空気感をイメージして造られたモダンな屋上庭園です。
敷地内にはデスクやベンチ、カウンターなどの様々な席種が用意されており、陽射しを遮る屋根付きのエリアも充実しています。
内と外がゆるやかにつながる半屋外の空間。公園のように過ごす学生もいれば、ビール片手のサラリーマンや、カフェタイムを過ごすカップルもいる。なんとも包容力の高い広場です。


南館はさらに11階まで伸びており、最上階特有の突き抜けた開放感というよりは、中腹階の屋外テラスといった雰囲気です。もっとも、こうした構造の方が賑わいが生まれやすいのですが。
館内はレストランフロアとなっており、屋内外でひとつの飲食・テラスゾーンを形成しています。
3つの屋上庭園

軽やかなショッピングモールらしい「南館」に対し、これぞ百貨店の風格を漂わせる「本館」。こちらは3階と7階に屋上庭園が設けられており、施設全体で合わせて3つの屋上庭園を擁しています。
いずれも緑豊かな空間ですが、そのデザインや流れる空気感は大きく異なります。


それでは、屋上連絡通路を渡って本館へ。
フォレストガーデン(本館 屋上7階)



地上7階建ての本館最上階に広がるのは、深い緑に包まれた屋上庭園「フォレストガーデン」です。
森を抜けた先には芝生広場や滝があり、ちょっとした公園にいる錯覚に陥ります。その一方で、頭上に掲げられた「玉川高島屋S.C.」の巨大看板とその足元の園芸ショップ、端に建つ祠を見ると、これぞデパート屋上の王道な風景に、どこかホッとさせられます。

1969年の開業当時からいち早く屋上緑化に取り組んできた玉川高島屋。当時ほとんどのデパートが “遊園地” を開いていたなかで、ここは一貫して “庭園” であり続けました。
近年、各地のデパートが屋上遊園地から屋上庭園へとシフトした流れを見ると、半世紀以上も先行した玉川高島屋には先見の明があったと言えるでしょう。

2024年にはさらなるリニューアルが施され、居心地の良いテラス席や芝生の広場などが設けられました。
遊具こそ置かれてないものの、起伏のある芝生広場では子どもたちが思いっきり走り回っています。観覧車やゲームコーナーはなくとも、子供のためのデパート屋上は、しっかりと機能しているようです。
ローズガーデン(本館 屋上3階)

階段を降りて、3つ目の屋上庭園「ローズガーデン」にやってきました。レンガ敷きの床に、クラシカルな街灯に噴水。花壇には季節の花々が咲き誇る端正な英国式庭園です。
地上3階とだいぶ低い位置にあることから、周囲の建物にほどよく囲まれた落ち着いた空間となってます。


ここの主役は、およそ100種類もの “薔薇(バラ)” たち。1998年の開設以来、職人たちの手によって大切に育てられています。
建築的な見どころは、玉川通り側にある波打つような白いファザード。内部にはエスカレーターが設置されていて、地上から3階まで結んでいます。2010年に増築されたもので、設計は隈研吾氏が手掛けました。
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郊外のデパート

1969年に「日本の豊かな郊外の幕開け」をキャッチコピーに開業した玉川高島屋S.C.。
核となる百貨店「玉川高島屋」を中心に、広大な駐車場と120もの専門店を備えた、日本初の本格的な郊外型ショッピングセンターが誕生しました。

それから時代は流れ、二子玉川は都内屈指の憧れの街へと成長。郊外のロードサイド店舗というよりは、地域に密着した駅前型商業施設として現在に至ります。
黄昏時の屋上庭園

再び「OSOTO」に戻って、心地よい夜風の吹くカウンター席で軽く作業します。いつの間にか日も落ちてしまったので、そろそろ帰ることにしましょう。



暖色系の灯りに優しく照らされたテラスに、どこからか漂うディナーの香り、水面にきらめく炎。なるほど、これは確かに “豊かな郊外” ですね。
訪問日 2026年5月
アクセス
HP:公式サイト
交通:二子玉川駅からすぐ
運営:株式会社高島屋


