ヒタチエ(旧イトーヨーカドー)|日立駅前の大型SC

かつて日立駅前にあったイトーヨーカドー。現在は「ヒタチエ」という新たな商業施設に生まれ変わり、営業を継続しています。

新都市広場の商業ゾーン

茨城県北部の中枢を担う日立市。特急ひたちも停車する玄関口・日立駅のすぐ近くに、駅前型ショッピングセンターの「ヒタチエ」があります。

建物の正面には、駅前から続く広大な歩行者空間の日立新都市広場(シビックセンター)が広がります。向かって右側が商業棟、左側が駐車場棟(医療系テナントも入居)です。

まず目を引くのが、ツインタワーのような外観とアーチ橋のような連絡通路。近年の効率性・低コスト重視の商業建築には見られない、装飾性や象徴性のある建築です。

ポストモダン建築
装飾を奪還した祝祭の記号——合理的秩序を解体し、過去の意匠を奔放に引用する、遊び心に満ちた多義的な建築様式。クラシック建築 ・・・ 西洋的な歴史ある建築様式モダニズム建築 ・・・ 形は機能に従う、効率的なハコポストモダン建築 ・・・ 装飾と...

建設された1990年代初頭は、ポストモダン建築が全盛の時代でした。これまで工業一辺倒だった駅前に、文化と商業の新しい顔として誕生したこの施設には、都市のイメージを刷新する大きな期待が込められていたのです。

ヒタチエ(2023~)

もともとは「イトーヨーカドー日立店」を核テナントとして長年親しまれてきましたが、2022年に撤退。しかし翌2023年に「ヒタチエ」として復活して、現在に至ります。

館内に足を踏み入れると、広々とした吹き抜けに4列ものエスカレーターが並ぶ、リッチな造りに圧倒されます。これぞバブル期の商業建築です。

食品スーパー(いばらきコープ)

地下1階には、食品スーパーの「いばらきコープ」が入っています。ヒタチエのメインテナントの1つであり、かつてのデパ地下のような役割を担っています。

無印良品

もう1つのメインテナントが「無印良品」、1階の大部分を占めているヒタチエの “顔” です。その高い集客力はもちろんのこと、施設全体を洗練された消費空間へと引き上げる存在となっています。

フードコート

2階にはフードコートが広がります。この日は1日ずっと中心市街地を歩き回ってきたのですが、最も賑わっていたのがここでした。

ここで「天丼」をテイクアウトで購入。茨城名物の「あんこう」の天ぷらが入っており、帰りの電車で美味しくいただきました。

本屋(丸善、ブックオフ)

3階には巨大な「ブックオフ」、そして4階にはイトーヨーカドー時代から続く「丸善」が店舗を構えます。

実店舗の書店が苦境に立たされる中、ヒタチエにおける本屋の存在はとても大きく、また頼もしく感じました。

屋内アミューズメント(ハレニコ、GIGO)

4階には市の運営する屋内遊び場「Hiタッチらんど ハレニコ」があり、最上階の5階には「GIGO」や「gashacoco」が並びます。アミューズメント色の強いフロアです。

地方の駅前商業施設(それも一度核テナントが撤退した施設)としては、空きスペースを最小限に抑え、しっかりとテナントも埋められており、なかなか健闘していると言えるでしょう。

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イトーヨーカドー(1991~2022)

日立市の商業の中心となっているこの場所は、もともとは「日立鉱山」からの貨物列車が発着する積み出しヤードがありました。

駅前にできた広大な跡地の再開発が進められ、1990年(平成2年)に日立シビックセンター/新都市広場が誕生。その翌年の1991年(平成3年)に、満を持して開業したのが「イトーヨーカドー日立店」でした。

開業当初は映画館もあり、県北随一の賑わいを見せていましたが、やがて採算の悪化により、閉店が取り沙汰されるようになります。

最終的に2022年に閉店となりましたが、そもそもこの流れは日立店に限ったものではありませんでした。

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祝祭空間のB面

親会社のセブン&アイ・ホールディングスは、不採算となっていたイトーヨーカドーの構造改革を断行。2023年には地方店舗から原則撤退する方針を打ち出しました。かつて地方都市の駅前に君臨した「鳩のマークの看板」は、過去のものになろうとしているのです。

駅前商業地の現状

本館と別館の間には、「パティオモール」という商店街が続いています。イトーヨーカドーの建設と併せて整備された歩行者空間です。

店舗が並ぶ路地道から見たヒタチエの姿は、まさに駅前商業地の核を担うデパートのように見えました。しかしその中身は、かつての総合スーパーからは大きく変わっています。

厳しい環境を乗り越えてきたヒタチエですが、少なくとも私の目には、独自性と利便性を備えた魅力的な商業施設に映りました。

訪問日 2026年1月

アクセス・宿泊

HP:公式サイト
交通:日立駅からすぐ

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