日本国内にあるメリーゴーランド(回転木馬)の中で、もっとも古いものはどこにあるのでしょうか?
”世界的に見ても最古級” の歴史を誇るものから、今も ”現役で稼働” しているもの、さらには ”回転しない” ものを含めて、歴史的価値の高い3つの遊具をご紹介します。
1 カルーセル・エルドラド|旧としまえん

「カルーセル・エルドラド」(旧としまえん)は、日本のみならず 世界的に見ても最古級の歴史のあるメリーゴーランドです。スペイン語で “黄金郷” を意味するその名の通り、アールヌーヴォー様式の繊細な手彫り彫刻が随所に施されたデザインは、まさに動く芸術品です。
その歴史的・技術的価値の高さから、2010年には日本機械学会より「機械遺産」にも認定されました。
1907年(明治40年)~

エルドラドは、1907年にドイツで誕生します。機械技師のヒューゴ・ハッセ氏によって制作されて、当初はヨーロッパ各地の移動遊園地を巡りました。
1911年にはアメリカへ渡り、ニューヨークの「コニー・アイランド」で稼働します。ルーズベルト大統領をはじめとして数々の著名人にも愛されますが、1960年代になると解体・売却に出されます。そこに目を付けたのが、当時の「としまえん」の経営陣です。
はるばる日本へとやってきたエルドラドは、職人たちによる約1年もの修復作業を経て、1971年(昭和46年)に見事復活を遂げます。以来、半世紀にわたり「としまえん」のシンボルとして愛されました。
2020年に「としまえん」が閉園してからは解体されて、現在は倉庫に保管されています。
既に移設場所は決まっているという情報※ もある一方で、既に閉園から数年が経っている現在も倉庫に眠ったままです。あの優美な姿が、再び見られる日が待ち望まれています。
※「思い出のとしまえん」2022年5月31日発売 文学通信 より
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2 メリーゴーランド|函館公園こどものくに

実際に乗ることができる 現役稼働中のメリーゴーランドとして日本最古 なのが、北海道にある「函館公園こどものくに」の1台です。
園内には、同じく現役では日本最古の観覧車があり、そちらはメディアへの露出も多く、国の登録有形文化財にも指定されています。その陰に隠れがちなメリーゴーランドもまた、同じ時代を歩んできた極めて貴重な存在なのです。
1954年(昭和29年)~

このメリーゴーランドが造られたのは、1954年(昭和29年)に開催された「北洋漁業再開記念北海道大博覧会」でのこと。会場の遊戯施設の1つとして、飛行塔などと共に登場しました。
1956年(昭和31年)には「函館公園こどものくに」がオープンして、現在の場所へ移設されます。それ以来、およそ70年以上にわたって稼働し続けているのです

現代の華やかでメルヘンチックなメリーゴーランドに比べれば簡素な造りですが、昭和中期の素朴な空気をそのままに、今も子どもたちに親しまれています。
もくば館|前橋中央児童遊園 るなぱあく

“日本一懐かしい遊園地” として人気を呼ぶ群馬県の「るなぱあく」には、遊具として日本で初めて国の登録有形文化財 に指定された「もくば館」があります。

「もくば館」は、大きな円盤が回るタイプではなく、5頭の木馬がそれぞれ独立して前後に揺れる電動遊具です。
戦後間もない時期に製造された国産の電動遊具が、当時のままの姿で動いている。その希少性と歴史的価値の高さから、2007年に文化財へと指定されたのです。
1954年(昭和29年)~

1954年(昭和29年)の「るなぱあく」開園当初から稼働し続けている「もくば館」。驚くべきは 利用料金 1回10円 という破格の安さ。子供たちが自分のお小遣いで楽しめるようにという、開園当時からの思いが今も守られています。
2000年代初頭には利用者の減少により、「るなぱあく」は存続の危機に陥ります。そこで ”日本一懐かしい” をブランド化し、レトロな魅力を打ち出すことで、見事にV字回復を遂げます。「もくば館」は、まさにその象徴のような存在でもあるのです。
アクセス
練間城址公園(としまえん跡地)
HP:公式サイト
交通:西武豊島線 豊島園駅
※カルーセル・エルドラドの保管場所については非公表です。
函館公園 こどものくに
HP:公式サイト
交通:函館市電 青柳町電停から徒歩2分
営業:3月下旬から11月下旬まで
るなぱあく(もくば館)
HP:公式サイト
交通:路線バスで「前橋公園」あるいは「遊園地坂下」で下車
営業:火曜日 休園(祝日の場合は翌水曜日が振替休日)



